今年、イスラエルは、ガザのクリスチャン500人に、クリスマスにベツレヘムを訪問する許可を出した。これは、ガザのクリスチャンのほぼ半数にあたる。
ガザのクリスチャンは、ほぼ全員がギリシャ聖教である。その数は、2007年にハマスがガザの支配者になってから、急速に減少し、それ以前は7000人であったが、今は1000人ほどになっているという。(ガザ人口はほぼ200万人なので、そうとうなマイノリティである)
多くは、ベツレヘムや西岸地区に家族がおり、クリスマスには家族が集まっていたのだが、ハマスがガザを占拠して以来、イスラエルが国境を閉じたこともあり、もう15年も家族が分断されたままになっている人も多い。
Times of Israelの記事によると、500人のうちの一人、ミラッド・アヤッドさん(30)は、ベツレヘム行きの許可証をクリスマスイブの前日に受け取っている。これまで何年も申し込んだが、許可はもらえなかったとのこと。
しかし、許可が出たとはいえ、家族ではアヤッドさんのみであった。このため、今度はガザの家族が、息子を帰れなくなるなどの危険も覚悟で送り出さなければならない。
ガザの家族がクリスマスに分断されることも意味する。許可はもらっても様々な困難を乗り越え、ベツレヘムに着いたのは、クリスマスの翌日であった。
アヤッドさんは、ベツレヘムで、生誕教会などを訪問している。初めて見るベツレヘムは、ガザに住んでいるアヤッドさんには、大都会であり、宗教の自由を感じた時であったという。
www.timesofisrael.com/rare-israeli-permits-enable-500-gazans-to-celebrate-christmas-in-bethlehem/
以下は、ベツレヘムでのクリスマスの様子。毎年、生誕教会でのイブのミサには、アッバス議長が出席するが、今年は欠席だった。しかし、シャティヤ首相が出席していた。(クリスチャン・メディア・センター)
以下はガザ地区でのクリスマスの様子も。非常な貧しさと伝えられているが、それでもクリスマスを祝っていたようである。(APとアル・ジャジーラ)なお、ギリシャ正教の場合、正式にはクリスマスは1月7日にも祝うことになっている。