連日3000人近くがコロナ感染で隔離ルール是正へ 2022.12.30

イスラエル閣議

多すぎる隔離対象者で事実上のロックダウンの見通し

イスラエル保健省HPより

イスラエルでは、28日のコロナ感染が2554人と連日3000人前後の感染が明らかとなっている。総検査数8万6500回で計算した陽性率は3%近くになっている。感染拡大を表す実行再生算数(R値)は、1.55である。しかし、重症者は依然、84-88人前後と落ち着いている。

最新28日の記事によると、この日新たにオミクロン株と判明した人は623人。(ベネット首相の娘が含まれていたかどうかは、まだメディアには出てこないので不明。)

イスラエルで、これまでにオミクロン株に感染した人の総数は、1741人。このうち、1000人以上は海外からの帰国者で、その他は、市中感染と考えられている。(保健省調べ)ベネット首相は、ここ1-2週間の間に、オミクロン株感染が90%になるとみている。

オミクロン株への感染者で、重症となっているのは2人で、1人は人工呼吸器に依存している。2人はワクチン未接種者であった。保健省は28日、死亡した女性1人が、初のオミクロン株によるものとの可能性を発表している。

デルタ株、オミクロン株感染が急速に拡大すると、隔離を命じられる人もどんどん増えていく。このままでは、100万から200万人が隔離に入って、事実上社会的なロックダウンになってしまうことになる。これを避けるため、ベネット首相は、隔離ルールの改正を発表した。それによると以下の通り。

①ワクチン接種していた、もしくは自身が、(デルタ、オミクロンに関わらず)感染し回復した人の場合は、PCR検査で陰性が出るまで隔離。(これについては後に急速高原検査でも可とした)。その後10日間は、ハイリスクのコンサートや、高齢者施設などには行かないこととする。

②ワクチン未接種者の場合は、7日間隔離とし、その始まりと終了日にPCRで陰性を確認する。

ベネット首相は、「これまで、外国人の入国を禁止し、イスラエル人の出入りも制限して批判もあったが、少なくとも5週間は、第5波が来るまでの時間稼ぎになった。なんとしても経済を回し続ける。」と述べ、国民に協力を求めた。

www.timesofisrael.com/in-israels-first-suspected-omicron-death-vaccinated-woman-succumbs-to-virus/

なお、イスラエルは、ファイザーのコロナ薬を採用することを決めており、29日に国内に届いたとのことである。

しかし、ここまで感染が拡大してきたので、もはや集団免疫の考え方でもいいのではとの声が出始めている。集団免疫は、かつてスウェーデンがとった方針で、あえて何もせず、できるだけ多くの人が感染して抗体を持つようにするという考え方である。

以前は、タブーであったこの考え方だが、今はワクチンや、治療薬も出てきたこともあり、目を向ける人が出てきたということである。しかし、すぐに、「そんな危ない賭けはするべきではない」との記事が出ていた。確かにスウェーデンは、後のこの方針を撤回したのであるし、オミクロン株が今後、どんな結果を残すのかはまだ不明瞭な部分が残るからである。

ワクチン接種に来る未接種者増加傾向

ベネット首相の説得と状況からか、全くの未接種者(70万人)の中からも、接種を受けに来る人が増える傾向にある。27日には、1万人以上が第一回目の接種を受けた。これは先週の8000人を上回っている。また3回目のブースターを受け人きた人は、8000人。先週の5000人を上回った。

5-11歳の子供への接種も増えている。これについては、国は義務化せず、親の判断にまかせるとしていたのだが、オミクロン株が、ワクチン未接種の子供に感染する傾向にあることからか、接種する子供も増える傾向にある。

28日の時点で、5-11歳のワクチン接種者(1回だけも含む)は、この年代の人口の15%となった。12-15歳については、62%である。

総じて、イスラエル人全体の70%が少なくとも1回はワクチン接種を受けており、45%は3回のブースター接種も完了している。ワクチンをしていても、オミクロン株には感染するようであるが、重症化はやはり未接種者よりは少ないということのようである。

www.timesofisrael.com/daily-covid-cases-reach-3-month-high-as-omicron-gains-steam-in-israel/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。