2000年前に神殿で鋳造された可能性のある銀のシェケル硬貨がみつかった。発見したのは、11歳のリエル・クルートコップさん。
場所は、エルサレムのダビデの町の地下、シロアムの池から神殿へ向かう600メートルほどの巡礼の階段道の発掘現場である。かなり神殿に近い地点である。
ダビデの町では、この発掘に伴い、出てくる土を振るいにかけ、貴重なものが残っていないかを確認する作業を行っている。
この作業を子供たちや、親子連れ、希望する観光客にも経験してもらっているのだが、幼い子供達が、貴重なコインなどを発見することがけっこう多い。今回も11歳のリエルちゃんが、この2000年前のコインを発見したということである。以下は発見現場の様子
今回発見されたコインは、14グラムで、カップの絵と“イスラエル・シェケル”と彫り込まれている。
また、ヘブライ語のアフファベットの“シン”と“ベット”も見えるが、これは、ローマ帝国に対するユダヤ戦争2年目(67-68年CE)を意味しており、神殿が破壊される直前に、反乱軍によって鋳造されたと考えられる。
反対側に掘り込まれているのは、大祭司関連の場所とともに、古代へフライ文字で“聖なるエルサレム”と彫られている。これに似たコインは、これまでからも、たくさん発見されているのだが、今回のように銀のものは、まだ30個ぐらいしかみつかっていないとのこと。
コイン専門のロバート・クール博士によると、当時の混乱期にあってコイン用の銀が大量にあったとすれば、神殿の丘である。ローマ軍と戦っていた当時の非常時なら、祭司と反乱軍の協力もあったかもしれず、この時代には、神殿の丘での鋳造もあり得たと考えられる。
以下は、昨年、ダビデの町が公開した2分の1シェケル硬貨の説明。イスラエル人たちは、神殿に来る際、身分にかかわらず、全ての人が税金として、2分の1シェケルを収めなければならなかった。今回のコインによく似ている。今回発見されたものは、これを反乱軍のものに鋳造し直したのかもしれない。(未確認)
また、ローマのコロッセウム円形劇場には、“皇帝ベスパシアニス(神殿を破壊したタイトスの父)が、タイトスの分捕ったもので、このコロッセウムの再建を命じた”と彫り込まれている。
このことからも。神殿からの強奪品の中に多量の銀が含まれており、円形劇場の再建が可能になったと想像できるところである。ここからも、当時、反乱軍が、神殿で銀貨を鋳造していたと考えられる。
もしそうであれば、神殿の丘で、この時代に鋳造されたコインとしては初めての発見である。