エルサレムでは毎年この時期、福音派親イスラエルのクリスチャン団体、ICEJ(国際クリスチャンエンバシー)が、イスラエルでも最大規模のカンファレンスを行う。
全世界から、経済的、政治的にもイスラエルを支持する福音派たち、5000人以上がエルサレムに結集し、8日間、カンファレンスや、100以上のセミナー、買い物、旅行もする。イスラエルでは最大の観光イベントで、大きな収入源でもある。
しかし、イスラエルは、まだ外国人旅行者に門戸を開いていない。このため、昨年に続き、今年もオンラインでの開催となった。以下は仮庵の祭りを準備するエルサレムから、ICEJの代表デービッド・パーソン氏が解説。
プログラムは、エルサレム旧市街南壁考古学公園での賛美から始まり、ウェビナーや、バーチャルツアーが提供されている。買い物はオンラインで可能。祈りのサイトでは、世界の人々とともに祈ることもできる。サイトに入るには、登録が必要で、最小限の登録費用は50ドル。サイトには、カンファレンス終了後も30日間入れる。
福音派の多くは、親トランプ大統領、親ネタニヤフ首相であったため、バイデン大統領、ベネット首相に政権交代した際に、若干の落胆の声が出た。一方、イスラエル側でも、福音派クリスチャンたちは、支援しながら、ユダヤ人への宣教をたくらんでいるとして、カンファレンスを厳しく監視する反宣教団体の活動も活発化していたところであった。
こうした中ではあるが、政府としては、少なくともイスラエルを支援する人々であり、大きな観光資源でもあるので、大事にしようとする動きに変わりはない。
カンファレンスは、初日からヘルツォグ大統領、2日目にベネット首相、3日目にガンツ国防相、6日目にはラピード外相の挨拶(録画)が組み込まれていた。だれが指導者であってもイスラエルを支持するという福音派の変わらぬ意思が表明された形である。同時に、イスラエル政府も、福音派の支援をフルに受け入れたということでもある。
ベネット首相は、世界170カ国にいる福音派たちの変わらぬイスラエルへの支持、それを形にしている国際クリスチャンエンバシーの働きにに深い感謝を表明した。
*国際クリスチャンエンバシー
全世界170カ国にその支持者をもち、拠点は90カ国にある。主な働きは、海外からイスラエルへ移住を希望するユダヤ人の移住手続きや、飛行機をチャーターするなどして、ユダヤ人の移住を支援している。さらには、ガザ国境付近のコミュニティに防護シェルターを配備するなど、世界のクリスチャンたちからの献金で、イスラエルに貢献している。
日本では、ICEJではないが、BFP(平和の架け橋)という親イスラエルの国際団体が、東京に事務所をおいて活動を行なっている。こちらは、移住後の支援や、貧困者への支援を中心に活動している。