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23日の総選挙まであと2週間を切った。海外のイスラエル大使館では、外交官たちが国内の市民に先立ってすでに投票を済ませた。時差で言うと、ニュージーランドの大使が、最初に投票する様子が伝えられた。今年は、新たにモロッコとバーレーンにイスラエルの大使館が開設されたので、そこでの投票も行われた。
過半数取れる党なし
23日の総選挙まであと2週間を切った。3月9日にチャンネル12が発表した世論調査によると、右派ネタニヤフ首相のリクードは、減少する傾向にあり29議席。
次に中道左派ヤイル・ラピード氏が、躍進して20議席。ラピード氏は、前回、ガンツ氏とともに中道左派の青白党を立ち上げた。しかし、ガンツ氏が、右派ネタニヤフ首相に兜と脱いで統一政権を立ち上げると、ラピード氏は青白党を離脱。元の自分の党未来がある党に戻って、中道左派の立場を貫いていた。ガンツ氏に幻滅した世俗派たちの票がラピード氏に流れていると見られる。
次に右派ヤミナのナフタリ・ベネット氏が11議席。リクードから独立して自らの右派ニューホープ党を立ち上げたギドン・サル氏が、先週の14議席から9議席まで減っていた。
これに続くのが、アラブ統一党の8議席。アラブ統一党は、アラブ人政党だが、イスラエルに好意的なラアム党が離脱したことで、議席が減ることとなった。これに、ユダヤ教政党は、統一トーラー党が7議席、シャス党が6議席。リーバーマン氏の右派イスラエル我が家党も6議席と続く。
前回、ネタニヤフ首相と互角であったベニー・ガンツ氏の青白党は、今回、最低4議席が取れるかどうかギリギリのところにまで落ちている。同様に、左派政党の労働党、メレツも同様に国会に残れるかどうかの最低投票を取れるかどうかの瀬戸際に立っている。
これらの党が連立を組むことで、国会120議席のうちの過半数61議席を確保できた党が与党となり、その党首が首相となる。ネタニヤフ首相は、現時点では、リクードとユダヤ教政党、また話題になったが、極右と目され、議席を取れるとは考えにくいが票は幾らかはある宗教シオニスト党が加わることとなっているが、合計は、46議席しかない。
もし、ベネット氏のヤミナと、アラブ政党のラアムが加わってギリギリ61議席になるかならないかである。アラブ統一党から離脱したとはいえ、ラアム党の議席を必要とするのはネタニヤフ首相にとっても初めてのことである。
一方、打倒ネタニヤフ首相の党、未来がある党、ヤミナ、ニューホープがまとまってもアラブ政党と組まない限り、合計は40議席で、可半数には全く足りない。
www.timesofisrael.com/likud-yesh-atid-see-boost-in-latest-poll-new-hope-falls-to-under-10-seats/
支持率獲得に奔走するネタニヤフ首相:明日UAE訪問予定
結局のところ、ネタニヤフ首相がどれだけ多くの票を獲得するか、言い換えれば、これまでの行政への評価が焦点になると言うのが、次回の選挙だと言われている。それだけに、ネタニヤフ首相は、今、選挙までラッシュで、コロナ対策に勤め、日々、フェイスブックに登場して市民たちに語りかけている。
また、他の右派政党やその支持者に向かって、「もしネタニヤフ首相が勝たなければ、(中道左派)ラピード氏が首相になるが、それでもいいのか。」と呼びかけて、右派は右派で協力する方が良いとの呼び掛けを行なっている。
www.timesofisrael.com/in-final-push-netanyahu-and-lapid-turn-on-their-own-camps/
さらには、明日のニュースのトップを飾ると思われる、UAEの訪問の予定である。今回の訪問では、アブダビ(最有力)のモハンマド・ビン・ザイード・アル・ナフマン皇太子に会うことになっているとのこと。さらには、もしかしたら、サウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子にも会うかもしれないとのニュースが出ている。もし実現すれば、国民、また右派政党へのアピールはかなり大きいかもしれない。
www.timesofisrael.com/netanyahu-may-meet-saudi-crown-prince-during-uae-visit/
こうした中だが、11日、ネタニヤフ首相の妻サラさんが、“感染症”の疑いで入院したという。まさかコロナではないとは思うが、やはり、まだまだ先は読めないというイスラエルの様相は相変わらずのようである。
www.timesofisrael.com/sara-netanyahu-hospitalized-with-appendix-infection/