トランプ大統領と、ネタニヤフ首相を熱心に支持してきた大富豪シェルドン・アデルソン(87)が、病気のため死去したと12日、その妻ミリアムさんが発表した。
アデルソン氏は、ユダヤ系アメリカ人で、カジノ界で億万長者となり、晩年は、慈善家となって、イスラエルとイスラエルを支援したトランプ大統領を支援してきたことで知られる。
アデルソン氏は、1933年にタクシー運転手の息子として生まれた。その後、さまざまなビジネスで成功し、ついには、ラスベガスのギャンブル帝国を手中に収め、電力ブローカーとして、文字どおりの大富豪になった。
アデルソン氏は、その財産をイスラエルのために惜しみなく使い、「自分の残す最大の財産は、イスラエルへの貢献だ。」と語っていたという。
www.timesofisrael.com/backed-by-deep-pockets-adelson-made-mark-with-unwavering-focus-on-israel/
トランプ大統領の弾劾が進む最中であり、かつ、ネタニヤフ首相も反ネタニヤフ勢力を前に、4回目総選挙に向かおうとする今、アデルソン氏死去の知らせは、そのタイミングが、なんとも象徴的にも感じられるところである。
<絶大な資金力とイスラエルへの熱意>
アメリカの多くのユダヤ人富豪は、代々民主党支持者がほとんどと言われている。そんな中、アデルソン氏は、あまり目立たない形で、共和党支持者であった。しかし、50歳のときに初めてイスラエルを訪問。1991年には、イスラエル人の妻ミリアムさんと2度目の結婚としている。
以来、熱心なイスラエル支援者になり、以後、イスラエルを支持する共和党を支持するようになった。2015年以降だけで、2億5000万ドル(およそ300億円)以上の寄付をして、文字どおり、共和党のトップ支援者となった。
ニューヨークの投資家スタインハート氏によると、アデルソン氏は、トランプ大統領が選出される前からトランプ氏に目をかけていたと言っている。トランプ氏の選出にもなんらかの影響を及ぼしていた可能性もある。
また、トランプ大統領が、米大使館をエルサレムへ移動したことの背景には、アデルソン氏の影響もあったといわれている。このとき、アデルソン氏は、6700万ドル(70億円)以上をはたいて、テルアビブの旧米大使館公邸を購入し、大使公邸がエルサレムに移動した後に、再びテルアビブに戻ってくることがないようにしたという。
このほか、AIPAC(アメリカの親イスラエルロビー)への支援、ユダヤ人のイスラエルへの移住促進プログラムへの支援。イスラエルにおいては、ホロコースト記念館ヤドバシェムに民間人としては最高の2500万ドル(26億円)の献金をしている。
また、イスラエルでは、ネタニヤフ首相の傘下にあることで知られるイスラエル・ハヨム紙の出資者であり、自分に都合のよい記事を書かせたという、ネタニヤフ首相の汚職問題の際に時々名前がメディアにあがっていたこともある。
www.timesofisrael.com/las-vegas-mogul-sheldon-adelson-major-trump-and-netanyahu-backer-dies-at-87/
アデルソン氏のトランプ大統領への影響力が非常に大きかったことについて、スタインハート氏は、単に資金力だけでなく、イスラエルに対する深い愛と熱意が、アデルソン氏の行動力につながっていたと語っている。
<石のひとりごと>
トランプ大統領が主に用いられたかのように、聖書預言を実現してきたトランプ大統領の背景に、ギャンブルで得た巨額の資金でイスラエルを支援したアデルソン氏がいたという事実。若干、複雑ではあるが、彼もまた、主に用いられたということであろう。
トランプ大統領とネタニヤフ首相を、実質的に、また心から支援してきた人物が、今この時に亡くなったというニュースに、トランプ大統領、またネタニヤフ首相の時代もひょとして終わるのだろうかとも感じられ、なんとも、末恐ろしい気がした。