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イスラエルでも感染増加傾向
アメリカでは、1日の死者が3000人を超え、イギリスでも1日の死者が500人を超えている。ドイツやフランスでも同様で、コロナ情勢は世界で深刻な状況になりつつある。
イスラエルでも1日の感染者が2000人を超え、死者は毎日20人前後である。20日に開催されたコロナ閣議では、1日の感染者が、1週間での平均で1日2500人を超え、再生産率が、1.32を超えたら、再びロックダウンにするとの指標を発表した。
www.timesofisrael.com/health-ministry-said-pushing-to-halt-commerce-as-covid-cases-rise/
今特に、懸念されているのは、感染が再び拡大傾向にあることと、イギリス政府が発表した、突然変異したとみられる新しいタイプのコロナウイルスのイスラエルへの流入である。
イギリス発表の変異型コロナ報道
先週、イギリスから、感染力が70%も強いコロナ変異株に関する警告が発せられたが、その後、変異型コロナは、イタリアやデンマークからもみつかっている。ヨーロッパでは各国が再び国を閉鎖する政策を取り始めた。
これを受けて、イスラエルも20日、海外からの入国を基本的に一時すべて拒否すると発表した。
イスラエルは、これまで、新型コロナの感染が少ないとみられる国々をグリーン国と定め、イスラエル国籍の人については、14日以内にレッド・ゾーンに行っていない場合に限り、入国後の隔離を免除しての入国を認める方策をとっていた。
*外国人については、イスラエル人の親族に関連することや、ビジネス等明確な理由がある場合に前もって保健省に申請、検査してということになるので、観光目的での入国は3月以降、まだ許されていない。
グリーン国とは、日本も含め、ニュージーランド、デンマーク、カナダ、台湾などの国々の他、UAEもこれに含まれていた。しかし、イギリスから、感染力の強い突然変異型コロナの感染拡大と、事実上ロックダウンともいえる政策が発表されると、ネタニヤフ首相は、即決で、海外からの入国を、すべて停止すると発表した。
今あるワクチンが、変異型ウイルスにも効果があるかないかについては、ある場合も、そうでない場合についても、まだ明確な確証は今の所発表されていない。
イギリスの発表は、ネタニヤフ首相、リブリン大統領ら国の指導者たちが、真っ先にワクチン(ファイザー)を受けて、国民に接種をアピールした翌日であった。ネタニヤフ首相は、ワクチン接種した際、突然変異型が出回っていることは聞かされていなかったと激怒したという。
保健省は、過去2週間にイギリス、デンマーク、南アフリカから入国したイスラエル人について、コロナに感染していないかチェックするよう指示を出したとのこと。
イギリスから到着便での混乱
この指示が出された後の20日、イギリス発の便が到着すると、乗客は、合意が得られた人については、警察の特別車両で、そのままエルサレムのダン・パノラマ・ホテルへとで移送された。
ホテルでの隔離に応じた乗客によると、イギリスでのチェックインは極めて普通で、帰国後に隔離されるという知らせはなかったとのこと。しかし、搭乗ゲートで、入国許可はあってもイスラエル国籍ではないイギリス国籍の人は、搭乗を拒否されたとのことであった。あまりに急な決断だったので、混乱が生じたものと思われる。
ネタニヤフ首相が、この人々の隔離を決めたのは、飛行機が着陸する45分前ということで、乗客の中には、宿泊する用意が全くない人もいた。このため、この決定が、自由意志が尊重されるべき国で許されるのかどうかと、怒りを表明する人もいた。
www.jpost.com/israel-news/israelis-arriving-from-the-uk-slam-netanyahu-no-logic-652719
また、20日、イギリスから到着した約30人は、ホテルでの隔離に合意せず、イスラエル人であるにもかかわらず、同じ飛行機でイギリスへ帰ろうとした。しかし機長がこれを拒否したため、別の航空会社を手配してイギリスへ戻っていったとのこと。