情報はイランもシリアも認めていないが、シリアの内戦を監視する団体が報告したところによると、26日早朝、イラクとの国境に近いアルブ・カマルへの空爆があり、親イラン兵士19人が死亡した。兵士たちは、ほとんどがパキスタン人だったという。
監視団体は、イスラエルによるものとの見解を発表しているが、イスラエルからのコメントはない。
シリアへのこうしたヒットエンドラン的な公的は、ここしばらくだけで、2回発生している。今週火曜、24日、ダマスカス南部への短い空爆で、親イラン兵士が少なくとも8人死亡。その前の土曜には、今回も攻撃されたアルブ・カマルへの空爆で、親イラン武装勢力のイラク人、アフガニスタン人、14人が死亡した。
この一連の攻撃は、先週、イランが仕掛けたと見られる対人用爆発物が、ゴラン高原で見つかって以来で、イスラエルはこれに反発する形で、シリアの親イラン箇所への攻撃を続けているわけである。
<国連安保理でイランの脅威を警告>
イスラエルが、これほどまでに、イランをけん制するのは、核兵器開発だけでなく、シリアが内戦になって以来、イスラエルの破滅を公言しつづけているイランが、シリアに入ってきているからである。国境のすぐ向こうにイランがいることもありうるとイスラエルはみている。
イスラエル、特にネタニヤフ首相は、国が生き残ることについては、時に、度がすぎるとみえるほどに真剣である。したがって、イスラエルが、バイデン次期大統領の動きを見据えてから動くということはない。今、まだトランプ大統領がいる間に、できうることは全部やっておくという姿勢である。
24日、イスラエルのギラッド・エルダン国連大使は、国連安保理に対し、最近、危険な対人用の爆発物が、シリアとの国境、イスラエル側にしかけられるようになっていると報告し、シリアに進出しているイラン軍(クッズ軍)に対処する何らかの行動を要請した。
イスラエルによると、クッズ軍は、8月にもイスラエルに侵入して、こうした爆発物を仕掛けていったとのこと。その証拠は、UNDOF(ゴラン高原でイスラエルとシリアの紛争がないか監視する国連軍)から提供されていると証言している。
www.timesofisrael.com/israel-demands-un-security-council-action-against-iranian-presence-in-syria/