新型コロナ感染1日3000人突破:100万人中感染者数世界最悪を記録 2020.9.4

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猛暑続く中、感染拡大中

日本では、猛暑が続いているが、イスラエルも暑い。3日午後、エルサレムでは、1942年以来最高となる42度を記録した。しかし、ガリラヤ湖北部では47度、ヨルダン渓谷は45度を記録している。

www.timesofisrael.com/jerusalem-bakes-under-record-setting-temperatures-with-more-on-the-way/

こうした中、新学年が始まり、秋の例祭まで2週間となった2日、24時間の感染者数が3141人と3000人を突破した。翌3日も2991人とほぼ3000人にのぼっている。検査3万2700件に対する陽性率も、9.4%(3日朝データ)と、非常に高く、市内での感染が、今もかなり拡大していることを表している。

パンデミックが始まって以来の感染者は、12万2539人で、単純計算でいくと、イスラエル人の75人に一人はすでに感染したということになる。

またイスラエルでの過去1週間の感染者数を、100万人あたりで感染者を計算すると、199.3人となり、ブラジル(188.3人)、スペイン(178.5人)、アメリカ(129.2人)を抜いて世界最悪となった。(ジョンズホプキンス9月2日までの1週間のデータ)*日本(5.8人)

しかし、現時点で入院して治療を受けている人は、834人。このうち重症者は426人で、人工呼吸器利用者は124人。死者は相変わらず10人以上が続いており、2日12人、3日16人死亡して、死者の合計は985人となった。

病院の逼迫状況:2週間以内に定員超過の恐れ

3日開かれたコロナ閣議に提出された資料によると、重症者は9月中旬までには、600人を超えると予想され、病院が受け入れ可能な数を超えることになる。このまま冬に突入した場合、医療崩壊にもなりかねない状況である。

www.timesofisrael.com/ministers-told-hospitals-could-be-overwhelmed-by-covid-19-patients-in-2-weeks/

8赤地域は来週から完全ロックダウンへ

コロナ担当ガムズ教授の案が閣議で受け入れられたため、23地域が、感染拡大が危険な赤地域とされていたが、新たにブネイ・ブラックなど7地域が加えられることになった。

赤地域とされる30地域のうち、最も感染拡大が著しい8地域は、来週7日から完全なロックダウンにおくことが決まった。ロックダウンにおかれると、食料、医療以外のビジネスと学校も閉鎖になる。住民は、自宅から500メートルまでの外出とされ、居住区から出ることは禁止となる。

この他の赤22地域には夜だけのロックダウンとなるみこみ。

赤地域:ナザレ、ブネイ・ブラック、ティベリア、ウムエル・ファハン他、アラブ人居住地。エルサレムでは、旧市街の4地区すべて、オリーブ山のアトゥル、アナトテ、ワジ・ジョー、シュアハット難民キャンプ、シーカ・ジャラも赤地域である。

感染拡大はどこで?

感染拡大が広がっているのは、集団で行動することの多い、アラブ人居住区とユダヤ教超正統派地域である。特に、ユダヤ教超正統派のイシバ(神学校)では8月23日に学校を再開。それから約2週間の間に、2万5000人中、500人の感染者を出している。

イスラエルでは、8月16日、感染拡大の激しいアメリカから1万7000人のイシバ(神学校)学生やその他、留学生の入国を認めた。また、イスラエル人であれば、グリーン国と指定した20カ国からの帰国を可能とし、さらに2週間の隔離を免除することにしたのであった。今ちょうど、この方針から今約2週間になるので、この政策を批判する人もいる。

しかし、人々の間でも、緊張が緩んでいるのか、ベエルシェバで、高校生が大きな新学期再開パーティを開催。多くはマスクを着用しないで参加していた。また、北部超正統派地域では、5000人が集まる結婚式が行われた。参加者の多くはマスクをしていなかった。

www.timesofisrael.com/health-minister-virus-czar-said-set-to-propose-full-lockdown-in-8-cities-towns/

また、イスラエル人の多くは、パスポートを2つ持つ人が多い。イスラエル人の知人によると、ベングリオン空港を発着する飛行機は、激減しているとはいえ、完全に0になったわけではなく、2つのパスポートを上手に使い分けて出入りするイスラエル人が少なくないという。

特に、アメリカとの行き来は、完全に停止したことはなく、今も十分可能だという。いわば収集つかない状態といえるだろうか・・・。

検査を受けるな:超正統派ラビ・ハイム・カニエスキー

ユダヤ教超正統派のイシバでは、2人から数人がグループになってディカッションしながら、トーラーなどの真理を追究していく形がとられる。互いに叫んだりするので、イシバでは、小グループごとにわけて、透明シートで区切る対策がとらている。

学生たちはマスクを着用しているが、それでも、1日中、同じ部屋にいるので、どうしても感染しやすいと思われる。その学生が、大人数がともに住む家庭に帰っていくので、感染は拡大しやすいのである。

このため、イシバで一人感染が発覚すると、大勢が隔離対象となり、イシバにこられなくなって、トーラーの学びがストップする。これを受けて、かなり高位にあるラビ・ハイム・カニエスキーが、学生に検査を受けないよう指導したとして問題となった。

www.timesofisrael.com/top-ultra-orthodox-rabbi-says-yeshiva-students-shouldnt-take-covid-19-tests/

2週間後には、ユダヤ教の新年祭がはじまる。超正統派の間で、また海外から戻って来るイスラエル人の感染をどう防ぐのか、ガムズ教授を筆頭と政府コロナ閣議、非常に難しい対応がせまられている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。