毎年、秋の新年祭に、3万人にも及ぶユダヤ教超正統派が、イスラエルから、ウクライナのウマンへの巡礼に向かうことについて。新型コロナの感染が国境を超えて拡大するとの懸念が高まっている。
超正統派の支持を必要とするネタニヤフ首相はじめ、右派政党政治家たちは、これを見て見ぬ振りをしたが、コロナ担当のガムズ教授は、これをはっきりと危険だと断言。ウクライナ政府には、イスラエルからの飛行機の乗り入れを停止するよう申し入れていた。
ウクライナのゼレンスキー大統領はユダヤ人である。当初は、巡礼者の数を減らして対応すると言っていたが、26日、8月28日(金)から、9月28日まで、外国人の入国を停止すると発表。イスラエルからの入国も拒否する形となった。
このため、この政策が実施される前日の27日、ベングリオン空港には、ウマンに向かうユダヤ人が殺到した。イスラエルからウクライナへの便は、例祭に合わせて18便が増便されていたのだが、27日は、まだそのまま運行が続けられていたからである。
www.ynetnews.com/article/rJCGAMH7w
この日にベングリオン空港を出立した超正統派たちは、ウクライナの空港で、一部が17時間の足止めとなったが、最終的に入国を認められた。
www.timesofisrael.com/fuming-over-uman-ban-bratslav-sect-vows-to-never-back-netanyahu-again/
<反発するブレスラブ派超正統派ユダヤ教とたちと右派政治家>
ウクライナ政府が、全面的に外国人の入国を禁止したことを受けて、超ユダヤ教政党などからは、大きな反発が出ている。
超正統派たちは、この動きを止めなかったネタニヤフ首相に反旗をひるがえす動きをみせている。今週、ネタニヤフ首相は休暇で、家族とともに北部ツファットのホテルにいたが、超正統派たちは、そこで首相に反発するデモを行った。
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*ウマンとユダヤ教超正統派
ウマンには、超正統派(ハシズム)を立ち上げたラビ・バアル・シェム・トーブのひ孫にあたるラビ・ナフマン・ブレスラブ(1772−1810)の墓がある。ユダヤ教超正統派の中でも、ブレスレブ派と呼ばれる一派は、特に新年祭にその墓参りをすることが、義務であり祝福だと言い伝えている。
このため、ブレスラブ派たちにとっては、この時期にウマンへいくことは、それ自体が大変重要な宗教行事なのである。しかし、ガムズ教授は、これは、聖書に書かれている行事ではなく、いわば墓参りなので、今のこの時に行く必要はないと言い切っている。当然、超正統派たちはこれに反発するのである。