20日夜、シリアのダマスカス南部、イランも関係するシリア軍の武器庫とみられる地点が攻撃され、ヒズボラのアリ・カメル・モフセン・ジャワドが死亡した。ヒズボラはイスラエルによるもとの断定。報復を予告した。ヒズボラは、通常、被害を認めないことが多いが、認めた時は、報復に出る可能性が高い。
イスラエルとヒズボラは、昨年8月にも、ドローンをめぐって武力衝突している。
mtolive.net/世界がスルー:イラン・イスラエル危機-2019-8-31/
このため、イスラエルは、北部ガリラヤ部門に、戦闘部隊である第13ゴラニ部隊を配置し、反撃に備えた。一方、ヒズボラもレバノンとイスラエルの国境付近に武力を増強し、緊張が高まっていた。
<シリアとの国境付近で爆発:イスラエルがシリアの軍事拠点攻撃>
24日朝、シリアの抗戦車ミサイルか、対空ミサイルが、ゴラン高原のシリアとイスラエルの国境付近で爆発。着弾はシリア側であったが、破片などがイスラエル領内、シリア人の町マジダル・シャムスに飛来して、車や建物を軽く破損した。
シリアのメディアによると、イスラエルのドローンがシリア領内に入ってきたので対応したとのことである。
これを受けて、イスラエル軍のヘリコプターは、シリア側の情報を収集する監視拠点、クネイトラの対空ミサイル拠点を含む複数の軍事拠点への攻撃を実施した。シリア側の情報によると、この攻撃で、シリア兵2人が負傷したとのことである。
Reported incident of an IDF airstrikes occurred near Majdal Farms. @manniefabian #Israel #Syria pic.twitter.com/9aOEOmQe9l
— Joe Truzman (@Jtruzmah) July 24, 2020
www.timesofisrael.com/idf-strikes-syrian-army-targets-near-border-after-munitions-fired-into-israel/
こうした緊張状態を受けて、ゴラン高原では、危険とみなされる地域の道路は封鎖。出入りを制限されている地域もあるという。今の所、ヒズボラは、軍事車両だけをターゲットにしているとみられているため、民間車両の移動はおおむね許可されているが、国境付近での農業活動に制限が出ている地域もあるとのこと。
<イスラエルがモスクワへ沈静化の意思を伝達か>
エルサレムポストが、クウェート紙からの情報として伝えたところによると、イスラエルは、モスクワ経由でレバノンのヒズボラへ、沈静化のメッセージを送ったとのことであるが、事実かどうかは不明。
www.jpost.com/middle-east/israel-sent-de-escalation-message-to-hezbollah-via-moscow-report-636203
<アメリカ軍ジョイントのマーク・ミレイ参謀総長電撃訪問>
この衝突と同じ日、アメリカ軍ジョイントのマーク・ミレイ参謀総長が、イスラエルへの電撃訪問を行い、ガンツ防衛相、イスラエル軍コハビ参謀総長と会談。後に、オンラインでネタニヤフ首相とも会談した。
この訪問で、ミレイ参謀総長と、ガンツ防衛相は、中東の平穏を脅かすイランとその同盟組織(ヒズボラ)への圧力を継続する必要性を確認した。ガンツ参謀総長は、イスラエルの敵は、イスラエルを試さないほうがよいと釘をさしている。
<石のひとりごと>
イスラエルもヒズボラも、今は、コロナで手一杯であるはずなので、おそらくは、沈静化すると思われるが、毎度ながら、緊張させられる動きである。