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イスラエルでは2日、午前7時(日本時間13:00)から3回目の総選挙が始まる。18歳以上の有権者は645万3255人。投票所は1万カ所に上る。投票は午後10時までで、出口調査もこの時にテレビで放送される予定である。
選挙日は、国民の祝日となり、学校も休校。病院など一部を除く公共機関も休みとなる。公共交通機関は通常通りだが、市内乗車については、料金無料となる。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/276679
新型コロナ隔離者専用投票所:コロナ関連偽ニュースに備える
イスラエルでは、有権者5630人が自宅隔離となっている。この人々のために、特別な投票所が全国で16箇所(8時から9時まで)設置されている。
これらの投票所は、一般の投票所からはかなり隔離された場所にあり、担当者は、すべて、救急隊(マーゲン・ダビッド・アドン)の医療関係者で、防護服にゴーグル、マスクと完全防備姿である。
健康省ディレクターのモシェ・ベン・シモン・トーブ氏は、「新型コロナに感染しているイスラエル人の数は、かなり少なく(10人)、感染が確認された人は隔離されて市内にはでていない。彼らの感染源も判明しており、状況はコントロールできている。心配せず、国民の義務である投票に行ってもらいたい。」と語った。
www.ynetnews.com/article/rk9ze8t4U
今回は、新型コロナ危機の中での投票ということで、フェイクニュースが流されて、特定の地域の有権者たちが投票に行かなくなるなど、事実上、選挙結果への介入になる可能性が懸念されている。警察は、投票所付近で、フェイクニュースを拡散するものがないよう、すべての投票所に警備隊を派遣している。
今回も引き分けの可能性大:4回目の選挙はあるのか
イスラエルの2大テレビニュース、チャンネル12と13が行った世論調査によると、今回も、ネタニヤフ首相のリクードと、ベニー・ガンツ氏の青白党は、引き分け、つまり、いずれの党も国会過半数を超えないという予想結果担っている。具体的には以下のとおり。
1)チャンネル12:ネタニヤフ首相(リクード)35議席:ガンツ氏(青白党)33議席
連立を組む予定の他党の議席数を足すと、ネタニヤフ首相の右派陣営は58議席、ガンツ氏の中道左派アラブ陣営は、56議席
2)チャンネル13:ネタニヤフ首相(リクード)33議席:ガンツ氏(青白党)33議席
ネタニヤフ首相の右派陣営は56議席、ガンツ氏の中道左派アラブ陣営は57議席
いずれの場合も、国会過半数60議席を超える事はないとの結果で、今回もリーバーマン氏率いるイスラエル我が家党(右派・6−7議席)が、どちらにつくかで勝者が決まることになる。要するにリーバーマン氏が右派でありながら、ネタニヤフ首相に反旗を翻したことが、3回にもわたる総選挙の発端なのであるが、それにまったく変わりはないということである。
今回、もし変化があるとすれば、ネタニヤフ首相の足元であるリクード支持者の投票率が落ちる点。また、ネタニヤフ首相が、ヨルダン渓谷合併など強硬右派的な方針を打ち出していることにより、伸び続けているアラブ系市民の票がどこまでのびるかという点である。
しかし、これまで2回の選挙と、大きな変化はみられないというのが、だいたいの予想となっており、政治の膠着が解消される見通しはたっていない。政府不在ということは、予算が決まらないということで、各省は、予算がない中、なんとか回しているというのが現状である。