全世界のイスラム教徒は、3月22日日没から、4月21日日没までの断食月ラマダンに入った。
今日から30日間、毎日太陽が登っている間は、水も飲まずに断食し、神殿の丘やモスクで祈りを日に5回捧げる。そうして、日が沈めば、家族知人友人が集まって、断食明けのご馳走を食べる。
イスラム教で最も重要な例祭であることから、ガザからも女性と子供、一部の男性に、イスラエルへ入国して、エルサレムのあるアクサモスク(神殿の丘)に来る許可を出すことになる。
一般にアラーの神への想いが高まって、再献身の時となり、テロや紛争が発生しやすくなる時期と考えられている。
特に今年に入ってから、パレスチナ人によるテロ事件で、イスラエル人15人が死亡。治安部隊との衝突で死亡したパレスチナ人は85人にのぼっていることや、過激な西岸地区入植者たちの動きも制御でききれていないことから、今年のラマダン中の治安の維持は、例年になく難しいのではないかと緊張が高まっている。
さらに、今年は、ラマダン期間中の4月5日日没から13日日没までが、ユダヤ教の過越の祭りが重なっている。キリスト教もカトリック暦で、4月2日がパームサンデー、4月7日グッドフライデー(キリストの十字架)、4月9日が復活祭である。東方正教会の復活祭は4月16日と、こちらもエルサレムに巡礼者が押しよせる時期と重なっている。
旧市街では、神殿の丘も嘆きの壁も、聖墳墓教会も超満員になる。これからのひと月、大きなテロや衝突にならないようにとの祈りが必要である。
<ラマダン前:イスラエルとパレスチナ自治政府がシナイ半島で治安協議>
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