ロシア情勢、イラン情勢が、先行き不透明な今この時に、サウジアラビアが主導するOPEC+が、5日、石油の減産を発表した。冬が本格化し始める11月からの実施となり、全世界の石油供給の2%が不足する見通しである。結果は、石油価格の上昇である。
こうなると、ロシアの石油の方が安くなってしまい、現在においてもイランからの原油輸入を継続している中国やインドだけでなく、そのほかのアジア諸国もロシアからの供給を再開させてしまうかもしれない。OPEC+の原油原産はアメリカには大きな不利で、逆にロシアに加担することを意味する。
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なぜ、ロシアや中国との対立が激化する今なのか。果たして、サウジアラビアは、アメリカではなく、ロシアに近づくという政治的な目的で、石油原産を決めたのかどうか。
現時点で、サウジアラビアは、単に経済的な対策だと言っている。今年増産したことで、原油の価格が下がったので、それを上げたいということである。しかし、時期的にも微妙すぎる。
バイデン大統領は、ロシアとの対立を前に、この7月、サウジアラビアに冷たくしていた態度を急変させ、身を低くして、サウジアラビアを訪問。関係修復を図ってきた。
今、サウジアラビアのこの動きに、アメリカはとまどいを隠せないようである。バイデン大統領は、11月のG20(インドネシア)でも、サウジアラビアのモハンマド皇太子との会談はないと言い切っている。
石のひとりごと
世界情勢は多くのことがからみあって、互いに影響を及ぼしあうようになっている。総合的に考えながら、結果を見据えながら、どの国と共に立つのかをよく判断しなければならない。
イスラエルとアメリカは最友好国で、欧米よりではあるのだが、地域的には、ロシアとの関係も維持しつつ、イランにも警戒しなければならない。アメリカと微妙になっているサウジアラビアや湾岸諸国とは関係強化に努めている。さて、ここからどう動いていくのか。。
イスラエルでは、もうすぐ総選挙だが、本当に危機的な時に、新しいリーダーを選ぶことになるということである。