トルコ・シリアで発生した大地震から12日目の今日、トルコだけで、全半壊のビルは、8万2000棟。死者数は、4万3000人(トルコ3万9000人)となった。一方で、12日近く経っているにもかかわらず、男性が生きて救出されたとのニュースも入っている。
www3.nhk.or.jp/news/html/20230218/k10013984191000.html
海外からの救援隊は、治安の悪化もあり、引き上げる国も出ている中、トルコ人たちによるボランティア活動が盛んに行われている。以下は、アルジャジーラによる報告で、トルコ人たちが被災した子供たちの心理的な支援など、さまざまな支援活動の様子。
トルコでは治安の悪化が目立つようになってきたことから、13日に救出部隊160人が帰国したのに続いて、15日、被災地カフラマンマラシェで野外病院を運営していた、イスラエル軍医療支援隊150人全員も15日に帰国した。任務は1週間以内という短期であった。
この野外病院では、負傷者470人(子供150人)の治療を行い、外科手術も10例実施していた。ケアを受けた人々の中には、地震当時トルコ側にいたシリア人もいたとのこと。
なお、カフラマンマラシェから車で1時間強ほど南に位置する町、ガジアンテプでは、UAEが、スタッフ50人(医師15人)で野外病院(手術室やICUもある)を提供している。また、17日には、日本の医療団75人も、同じガジアンテプで、野外病院を立ち上げ、24時間体制で負傷者の受け入れを開始している。
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イスラエルがこれほど早くに撤退したことから、被災地では、今後治安の悪化が、深刻になっていくものと懸念されるところだが、シリアの被災地は、反政府勢力やクルド人勢力が住むところで、元から治安が悪い地域である。
トルコからの国境超えも難しいことから、政府の支援も海外からの支援も入ることができず、救援活動は、地元シリア人によるホワイトヘルメッツが行っていた。今ようやく、トルコとの国境で開かれた地点も増やされて、国連の支援物資搬入が始まったところである。
しかし、シリアでは、地震発生の際に、刑務所にいたISメンバーが逃亡したとの伝えられるなど、治安の悪化が、トルコ以上に懸念されていたところ、18日、被災地から車での2時間ほど南にあるホムスで、トリュフを採取していた市民が少なくとも53人殺された。犯行声明はないが、ISILによるものとみられている。
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