ガザの人々の心のケアは、ニュースにも出てくるが、イスラエル人の心についてはあまり出てこない。
しかし、イスラエルでも、10月7日以降、戦死者は1500人。四肢を失うなどの重傷を含め、負傷したイスラエル兵は7209人に上っている。その95%は、30歳以下の予備役兵(一般市民)である。
7209人の30%にあたる2111人は、精神的な問題に直面している。このうちの60%は、体の負傷より、精神的な問題、いわば心に負った負傷が、主な負傷だという。
イスラエル軍は、今年末までには、2万人が負傷すると推測している。その40%にあたる8000人は、PTSDはじめ、さまざまな精神疾患を抱えることになるとの見通しである。
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/over-7000-injured-in-fighting-since-october-7/
今回の戦争は、これまでのどの戦争より、兵士たちの心に影響しているとみられている。原因の一つは、戦争の長さである。
6ヶ月以上続く戦争は、イスラエル史上、1948年の独立戦争ぐらいである。イスラエル人たちは、それ以来、長い戦争を経験していない。
また国もこれだけの負傷者に十分なケアや、補償をする準備がなく、不十分なままになっている。
テルアビブの大病院テルハショメールのシバ医療センターは、PTSDや心のケアを含め、負傷退役軍人のための特別センターを開設している。3000人がなんらかのケアを受けているとのこと。
また、最新のバーチャルリアリティの中で、「楽しむ」ことで外傷の回復を促す「プロジェクト・モビリティ」というプログラムの準備が進められている。
これは、3Dカメラをつけて、バーチャルリアリティに入り、全身を効果的に動かすよう導かれるビデオゲームを通して体を動かし、楽しみながらリハビリをするというプログラムである。
アメリカとカナダで、神経系に障害のある外傷でも回復につながることが証明されているとのこと。脳梗塞の麻痺にも有効になる可能性がある。楽しいということで、モチベーションがあがり、脳や患部の循環も良くなるのだろう。
ただ準備には費用がかかるとのことで、今はまだ献金集めが行われている段階のようである。皮肉にも戦争の苦しみの中から、新しい何かが開発されるかもしれない。
www.timesofisrael.com/spotlight/project-mobility-healing-israels-wounded-warriors-with-fun/
この他、負傷して帰国した兵士の家族、戦死した人の家族、ハマスの襲撃を生き延びた人、家族がまだハマスの人質になっている人なども大きな心の問題を抱えていることを覚えたい。
石のひとりごと
この人々は、昨年の過越の時は、元気であったし、家族と共ににぎやかに楽しくすごしていただろう。今年の過越をどう過ごすのかと思うと心が痛む。
主のなさることは、本当に全部理解できない。この過越の時、主が特にこの人々の心に入ってくださるようにと祈る。