イスラム諸国では、現在も殺戮があいついでいる。アラブの春で、民主化の口火を切ったチュニジアでは、サラフィストと呼ばれる厳格な聖戦主義者らが、暴力的な反政府デモを開始。死者が出ている。
イラクでは、爆弾テロが相次ぎ、バグダッドで30人など多数の死者が出ている。シーア派とスンニ派の争いの構図。BBCによると、イラク人たちは、欧米は「イラクへの攻撃で、国内に混乱を産みだし、今はイラクを見捨てている」として世界に腹をたてているという。
パキスタンでも、史上初の総選挙を、イスラム原理主義組織タリバンが妨害し、死者が続出。昨日は、野党政治家が暗殺された。この選挙をめぐってこれまでに政府要人で暗殺されたのは127人に上るという。
以前、パレスチナ人の知り合いが言っていたが、アラブ世界では、民主主義というものはありえないのだという。強い者ががっちり恐怖で支配する。たとえそこに人権無視があっても、基本的にそういう生き方しか知らないのだという。
シリア情勢をはじめ、これから世界はイスラム世界とどう向き合っていくのか。そのまっただ中、最前線にいるのが、イスラエルである。イスラエルが今直面する危機は、私たちの危機でもあると認識する必要がある。