中東でアメリカ関係施設をねらった大きなテロがあるとの情報で、アメリカは中東、北アフリカにある22の大使館、領事館を閉鎖。特にイエメンが危ないとして、イエメンにいるアメリカ人に、すぐに出国するよう勧告していた件。
こうした異例の動きの背景には、アメリカが、アルカイダの首謀者ザワヒリとイエメンのアルカイダ指導者ら多数との交信を傍受していたことがわかった。
7日、イエメン政府は、アルカイダがイエメンの大きな石油・ガスパイプラインを破壊する計画をしていたとして、港2つを制圧し、テロを未然に防いだと発表した。しかし、これが問題の”大きなテロ”かどうかはまだ不明であるため、アメリカはまだ厳重な警戒を続けている。
アメリカは、イエメンのアルカイダを壊滅させる計画なのか、ドローン(無人軍用機)を使って、イエメンのアルカイダ指導者を次々に殺害。8日だけでも14人。7月26日から数えると30人以上を殺害している。
<アメリカとアルカイダ、アルカイダ系グループ>
アメリカとアルカイダの確執は2001年の9:11事件から始まった。アメリカはアフガニスタンを攻撃、そのまま軍を駐留するなどして、アルカイダの活動を抑え込み、10年後の2011年、ついにビン・ラディンを殺害するに至った。
ビン・ラディンの後を次いだのがアイマン・アル・ザワヒリ。ザワヒリはビン・ラディンほどのカリスマ性がない。中東でアメリカが一掃作戦を展開していることもあって、中東でのアルカイダの勢力は陰をひそめたような状況になっていた。
ところが、アルカイダを名乗り、一応、多少はアルカイダと関係を持つアフリカやアラビア半島の組織が、それぞれの地域で勢力を強めている。今年1月、アルジェリアで日本人の人質10人を含む37人を殺害したムフタル・ベルムフタルなどもこうしたグループの一つである。
しかし、この中で最も危険なのがアラビア半島にいるイエメンのアルカイダ系組織だと言われている。そのため、アメリカはイエメンのアルカイダを集中的にたたいているのである。
<次はパキスタン>
9日、パキスタンのラホーで、深刻なテロの可能性があるという警告があったとして、アメリカは、パキスタンのアメリカ領事館関係者を閉鎖。職員全員を出国させた。ラホーでは、現在厳重な警戒態勢がとられてる。
先週、中東各地で、刑務所が襲撃され、1500人以上のアルカイダや様々なイスラム過激派テロリストらが脱走している。何が起こっても不思議はないということである。
*イスラエルでは、アメリカ関係施設は5日から平常に戻っている。