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西岸地区でのイスラエル軍大規模作戦:テロリスト少なくとも20人死亡
西岸地区では、28日(水)から、イスラエル軍によるハマス他テロリストの摘発のための大規模な作戦が続いて、各地で戦闘になっている。
これまでに死亡したパレスチナ人は20人となった。
特記すべき攻撃は、29日、ツルカレムで、モスクに隠れていたパレスチナ人戦闘員5人を殺害したが、そのうちの一人はイスラム聖戦の指揮官だった。
www.timesofisrael.com/head-of-hamas-in-jenin-2-other-operatives-killed-in-idf-drone-strike-shootout/
続く30日、変装したイスラエル国境警備隊員らが、車に乗っていた、ジェニンにおけるハマス最高指導者ウィサム・ハゼムを銃撃。その後、中にいた2人の戦闘員が逃亡を試みたが、ドローンが攻撃して車もろとも破壊した。
また同じ30日、西岸地区では、2件の爆弾テロ未遂が発生。負傷者は3人出たが、いずれも犠牲者を出さずに終わった。2件は関連していた可能性があるととみられている。
1件目は、エルサレム南部のグッシュ・エチオンのガソリンスタンドで車が炎上。駆けつけた治安部隊は、車の中にいて反撃しようとしたテロリストを銃殺した。
またその近くの入植地カルメイ・ツールの入り口に車が突っ込もうとしたため、近くにいたイスラエル軍部隊が、運転していたパレスチナ人を射殺した。すると、まもなく、車は中に保持していたとみられる爆弾が爆発し、炎上した。
תיעוד | המחבל שביצע את הפיגוע בצומת הגוש מנסה לברוח ולתקוף לוחם – ונורה@ItayBlumental pic.twitter.com/iRfWljUOyN
— כאן חדשות (@kann_news) August 30, 2024
ハマスは自爆テロに戻る?
西岸地区で深まるテロ組織をパレスチナ自治政府は、もはやとりしまれなくなっており、イスラエルは、その対処に追われている。以前からの作戦を含め、10月7日以来の戦闘で、死亡したパレスチナ武装組織は670人以上になる。
また、これに便乗するかのように、過激右派ユダヤ人入植者グループがパレスチナ人の村を襲撃し、死者も出ており、今後も続く恐怖も広がっている。
こうした状況の中、ハマスのガザ外在住高官のカリード・マシャアル(68)が、イスタンブールのカンファレンスでのメッセージで、「ハマスは、“作戦”に戻る」とし、パレスチナ人にイスラエルに対する“実際的な抵抗運動”を呼びかけた。
イスラエルに対する自爆テロを奨励するような内容とみられる。今後、イスラエルが、これを事前に阻止する作戦をさらに強化する可能性が高い。
ヨルダン国王がヨルダンへのパレスチナ人越境にお断りを表明
この状況の中、隣国ヨルダン(国民の70%はパレスチナ人)のアブダラ国王が、西岸地区のパレスチナ人がヨルダンへ避難してくるのではないかと懸念していると、カタールのメディアが伝えた。
ヨルダンのアブダラ国王は、「もし西岸地区からパレスチナ人がヨルダンに流れ込んだ場合、ヨルダン国内が混乱するだけでなく、中東へも混乱が広がっていくことになりかねない。」として、ヨルダンとその国民は、これを受け入れないと語っている。
またアブダラ国王は、もし、西岸地区からパレスチナ人がヨルダンに出ていくことになれば、それこそ強硬右派ユダヤ人入植者たちの思う壺であるという視点からも、西岸地区のパレスチナ人は、ヨルダンへ越境すべきではないと言っている。
エジプトが、基本的にガザの避難民を受け入れないと最初に釘をさしたのと同じような状況である。