世界がイスラエルとガザの紛争で忙しくしていた背後で、多くのことがおこっていた。日本でも詳しく報じられていると思われるが、以下の3点が注目事項と思われる。
<アメリカがイラク北部のイスラム国(ISIS)を空爆>
イラクでイスラム国を立ち上げたISISが、レバノンの町を制覇。イラク北部では、モスル・ダムを制覇。勢力を伸ばし続けている。
モスルから、世界最古と呼ばれるクリスチャンコミュニティが、町から避難して消失したと伝えられていたが、ISISは、クリスチャンたちに対して、残忍な強制改宗と虐殺を続けている。
モスルを追われたクリスチャンたちは、何もない山へ逃げ、そこで餓死し始めている。キリスト教僧侶が、「だれも我々を助けようとしない。」と悲痛なコメントを発する映像が流れた。
アメリカのオバマ大統領は、8日、イラク北部への空爆を承認。アメリカ軍は、これまでにイラク北部クルド人地区に展開するISISに向けた空爆を3回、実施している。続いてアメリカ軍は、山頂で野宿している難民に対し、上空から支援物資を投下した。
<東西関係悪化:ウクライナ情勢>
ウクライナをめぐって欧米とロシアの関係が悪化している。親ロシア派とウクライナ軍は、東ウクライナで激しい戦闘を展開しており、マレーシア航空撃墜の犠牲者遺体の捜索を停止せざるを得なくなっている。
欧米は、ロシアに対して厳しい経済制裁を行っているが、8日、ロシアは、対抗措置として、アメリカの食料全品目、ヨーロッパからは農産物の輸入を停止すると発表した。
アメリカには大きな影響はないが、ヨーロッパではハンガリーなどどちらかと言えば貧しい国々に影響が出る可能性がある。
さらにロシアは、航空機のロシア上空通過を拒否する可能性も示唆しており、そうなると、ヨーロッパからアジア諸国へのルートが影響を受けるため、世界経済に大きな影響をもたらすと懸念されている。
<エボラ出血熱:WHOが緊急事態宣言>
8日、西アフリカから発しているエボラ熱の感染が、ここ40年で最悪になったとWHO(世界保健機構)が緊急事態宣言を出した。
エボラ出血熱は、昨年12月にギニアではじまり、リベリア、シエラレオネ、さらにはナイジェリアにも波及している。今月に入って、ウガンダでも疑わしい症例がみられている。
エボラ出血熱には治療薬がなく、死亡率が高い。これまでの死者は961人。WHOによると、西アフリカ諸国では、以前から続く紛争と貧困で、伝染病を管理する能力がないため、拡大を防ぎきれないのだという。
現在、治療薬の開発が急ピッチで進められている。日本では西アフリカ諸国への渡航を延期するように呼びかけ、全国の病院に万が一疑わしい症例が見つかった場合の対策についての指導がなされているという。