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29日、イスラエルでは、外出は自宅から100メートルまでという厳しい外出規制の中、第72回目の独立記念日を迎えた。
72年前の独立宣言は、5月14日(金)、安息日入り直前、16時に始まり、わずか16分で終了。この数時間後、アラブ5カ国群がイスラエルに攻め入り、独立戦争入りとなった。
独立戦争では、当時の人口80万6000人のうち約1%にあたる6000人が戦死したが、結果として、実に2000年近い歳月を経て、近代国際社会の中の一員としてのイスラエル国家を復活させることになった。
1948年5月14日(金) 独立宣言(カラー加工)の様子。
記念式典ガンツ氏あいさつ:新しい形の一致にむけて
ヘルツェルの丘での国家式典はスケールダウンして、事前に撮影されたものが、オンラインで放送された。約2時間 (Khan11)
式典の中で、ベニー・ガンツ氏は、式典での灯火にあたり、「今は困難な時だが、さらに困難な時代が来ると思って備えをしなければならない。70年もの間、私たちを滅ぼそうとする敵を前に戦ってきたことで、私たちには、戦う気質が身についている。
今の(コロナに対する)戦いは、これまでになかったような戦いで、ユダヤ人、アラブ人、ドルーズもカルカスも、超正統派もない。宗教家なのか、世俗なのか、右派か左派もない。私たちは、今、お互いに守り合うという新たな社会を学ばされている。
この戦いでは、最前線にいる兵士は、医療従事者、軍兵士、警察官、役人達が皆、肩を寄せ合って戦っている。家にいいる国民は、心からの祈りで彼らの戦いを支えている。
私たちは必ず勝利する。そしてまた新しい気質を生み出すだろう。これは、外からの敵によって教えられるものではなく、私たち自らで、新しい社会とそれぞれの責任についてを学んでいる。」と述べた。そして、「民主主義とそれぞれの権利を守りながらの一致を目指そうと呼日かけた。
www.jpost.com/israel-news/israels-official-remembrance-day-ceremony-watch-live-626236
世界の首脳が祝いのことば
イスラエルの72回目の建国記念日に、世界の首脳からの祝いのことばが届いた。トランプ大統領は、「アメリカは1948年、諸国の中で最初に、新しく”再建”されたイスラエルを認めた国であったことを誇りに思う。」と述べた。”再建”と言っているところが注目される。
この他、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領、ハンガリーのオーバン首相、ギリシャのミツォタキス首相、ブルガリアのボリソブ首相からも祝いのメッセージが届いた。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/279426
スケールダウン独立記念日でも十分楽しむイスラエル人
今年、エルサレムでは花火なし。通常なら、スプレーをかけまくって騒ぐ若者たちでぎっしりになる通りには、誰もいないという、およそ考えられない独立記念日となった。
しかし、地方では、アパート群の中央広場でミュージシャンが演奏して、人々はベランダからそれを楽しむ様子もみられた。花火や、ドローンで夜空に、72と書いたりしていた。以下のサイトで、写真を見ることができる。
www.timesofisrael.com/israel-at-72-a-country-under-curfew-salutes-those-fighting-the-coronavirus/
式典後のテレビ番組(始めに「スペシャルな国」という歌とともに、イスラエル全国の姿を見ることができる)(Khan11)
翌日29日、独立記念日当日は、通常ならバーベキューでぎっしりになる公園やビーチに人影はなし。人々は自宅にとどまっている。
エルサレムの自宅にいる人々(エルサレム市のクリップ)
毎年恒例、上空を飛ぶイスラエル軍戦闘機のエアショーは、人が集まることを防ぐため、基本的には中止となった。しかし、4機だけの小さい編成で、コロナとの戦いで奮闘する全国の病院上空を飛び、最前線にいる医療従事者に敬意と応援を送った。病院スタッフも外に出て手を振っていた。
www.timesofisrael.com/grounded-israelis-begin-subdued-independence-day-with-salute-to-medical-staff/
エルサレムでは、毎年恒例、ユダヤ機関主催の国際聖書クイズ大会も行われた。今年は、海外の参加者はオンラインでの参加であった。毎年、首相が出題する場面もあるが、ネタニヤフ首相はオンライン参加。会場には、ベニー・ガンツ氏の姿があった。
優勝者は、ここ10年以来となる女子で、イスラエルのゲデラ在住のルース・コーヘンさん(16)
リブリン大統領があなたの家に来る!?:
ユニークなアプリで、大統領がそれぞれの自宅にやって来て話をしてくれる。以下のサイトに入っていくと自宅にホログラムのリブリン大統領が立っているように見える写真が撮れる。(大統領官邸のプロジェクト)
ホログラムクリップ(サンプル)
72歳のイスラエル:総人口919万人:ユダヤ人74%
中央統計局によると、現時点での総人口は919万人。このうち680万人(74%)がユダヤ人で、193万人(21%)がアラブ人。45万4000人(5%)がその他となっている。*アラブ人の中に、東エルサレム、西岸地区、ガザ地区のパレスチナ人は入っていない。
この1年で、18万人の新生児が生まれ、移民は3万2000人。死者を引くと、17万1000人(1.9%)増えた。年齢層は、0−4歳が10.2%と最も多く、24歳以下は全体の43%。65歳以上の高齢者は12%で、イスラエルは、相変わらず若い国といえる。
このままでいくと、10年後の2030年には1110万人、20年先には1320万人になり、2048年の建国100周年には、1520万人になる見通しである。
1)移民の国からイスラエル・ユダヤ人の国へ
1948年の建国宣言当時のユダヤ人の数は、80万6000人。それから330万人が、イスラエルへ移住した。72年の間に、イスラエルで生まれたユダヤ人が、78%にのぼっている。
2)最大の都市はエルサレム
都市ごとの人口では、エルサレムが、93万6047人で最大。次にテルアビブ・ヤッフォで、46万1352人。ハイファ28万5542人となっている。
www.timesofisrael.com/ahead-of-independence-day-israeli-population-stands-at-9-2-million/