エルサレムのダビデの町では、現在、シロアムの池の全体像が発掘の途上にある。そのシロアムの池から、神殿へ登っていく約600メートルの巡礼用の階段も発掘が進められている。
その発掘の中で、簡易な会計の記録とみられる文字が彫られた石片がみつかった。
この神殿に続く階段通路は、かつて第二神殿時代後期の1世紀にも存在していたものであり、イエス・キリストとその弟子たちも通っていた階段であると考えられている。ユダヤ人が年に1回は来るところで、階段通りの両側には、賑やかなマーケットがあったと考えられている。
石片には、会計記録とみられる文字と数字(文字で表現)が7行ほど、鋭いなにかでサッとほられていた。
名前とお金を表す文字、4分の1を表すヘブライ語だという。名前の一つは「シモン」と当時に普通にあった名前であった。マーケットでの会計か何かのメモと考えられている。
37BCEから70CE時代とまさにイエス・キリストと弟子たちが生きていた時代で、聖書的ななにかといった、宗教的な重要性はないものの、当時の日常生活を彷彿とさせる貴重な発見である。
なお、今回の発見は、19世紀の考古学者が、階段通路の地下水路を掘っていたときに出ていた土からの再発見だった。そのため、階段のどのあたりかは明確ではない。