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ペレード空軍長官がエリート予備役パイロットの解任を発表
イスラエル軍では、司法制度改革に反対する予備役将校が多数でていることが、治安にも関わる問題となっている。
特にエリート中のエリートである69飛行部隊予備役将校たちが、司法制度改革法案が可決された場合、招集に応じないと表明したため、昨夜、ハレヴィ参謀総長と予備役将校たちとの緊急の話し合いが行われた。
それ自体、極秘のはずだったが、メディアに少し漏れ出ていたということであった。
9日になり、空軍のギラッド・ペレード長官は、空軍の予備役パイロット、トーマー・バル大佐をそのポジションから外すと発表した。
理由としては、軍ではない公の問題に関わり、軍本来の役割、その地位と責任(軍の将校としての責務)にふさわしくない行動をとった。予備役として、呼ばれたら必ず出頭するという、国民の信頼を失ったことがその理由であると説明した。
またバル大佐が、他の予備役を率いて、招集されても出頭しない道を選ばせようとしたとして、彼にそんな権威は与えられていない。これは、本来の指揮系統を乱すことになると述べた。
バル大佐は、ハレヴィ参謀総長に上訴するとのこと。
軍規違反か国の危機への対処か
確かに軍規という視点では、ペレード長官の言うことは正しく聞こえる。
しかし、たとえば、先日イスラエル軍の傘下で、西岸地区を担当するスモトリッチ氏が、「フワラは一掃すべきだ」と発言したが、彼の立っている地位からすると、これはイスラエル軍への命令ということになる。
軍はそれに従って、フワラを一層しなければならない。これについて、スモトリッチ氏自身は、「口をすべらせた”のであって、軍への命令になりうるという自覚がなかった。」と語っている。
今の政府は、それほどに危ない人材が、軍に指示を出せるような立場においているということである。
この政府を監視する唯一の機関である、司法の権限を弱体化することは、国家にとっては、考えられないほどに危険なことであり、だまっているわけにはいかないというのが、バル大佐の主張である。
どちらの側にも言い分があり、どちらも重要に聞こえる。イスラエル軍の中で、イスラエル将校の間で、こんな論議と分裂が生じたことは、これまでに一度もおこったことがない。
イスラエルが今、直面している問題が、これまでになかったような非常に難しい問題であることを表す一面である。