私はこの民に属している(イシャイ・リーボー):苦難に負けないイスラエル人たち 2024.1.26

Ishay Ribo FB より

苦難の中で一致するイスラエル人:イシャイ・リーボーさん用いられる?

イスラエル人の心は、今大きく傷ついている。

あれほど残虐に1200人もの市民を殺されただけでなく、それから3か月以上たった今もまだ、136人もの市民が、この残虐なハマスの世界に囚われたままなのである。

また、多くの若い予備役、市民兵が死亡し、父親や息子を亡くした家族が増え続けている。

にもかかわらず、世界はパレスチナ人のことばかり気にかけて、イスラエル人の犠牲には、まったくといっていいほどに気を配らない。世界は、ユダヤ人が死ぬことには、なぜか心を留めないのである。

逆に、イスラエルはパレスチナ人に対してジェノサイドを行っている、言い換えれば悪魔呼ばわりしている。これは、ホロコーストの時代と同じパターンである。

しかし、それでもユダヤ人は、ホロコーストの時と同様に、世界に対する恨みに囚われないで、今も前を向いて、立ち上がろうとしている。

イスラエルのトップ・シンガー、イシャイ・リーボーさんは、正統派ユダヤ教徒で、その歌は、イスラエルの神、主への賛美や、その主との関わりがテーマになっている。

彼の歌は、正統派だけでなく、世俗派や、世界中に散らばっているディアスポラのユダヤ人の間でも非常な人気である。

ハマスとの戦争が始まると、イシャイ・リーボーさんは、戦地の兵士たちを訪問。歌で彼らを励ました。その歌とは、イスラエルの神、主を思う歌ばかりなので、いつもは世俗派で、無神論と言っているイスラエル人も、彼の歌とともに、彼らの神、主に心を向ける時となっている。

その中の一つの曲を紹介する。タイトルは、「私はこの民に属している」

私はこの民に属している
歴史家すべてが理解しているわけではない、最も古い文書の民
その足元の自然さえも理解しているわけではない民
その顔に大きな名前がつけられている民

私はこの民に属している
哲学者が考え得る全ての終わりを見る民
いくら論議してもわからないこと
奇跡はこの民のために起こる

世界の他のすべての民と、私の民の違いは何か
他のすべての民の神々は、見えもせず、聞こえもしない神々だ
私が属する民の神は、神、主である

私はこの民に属している
あらゆる時代を生き延びた民
人間の力でそうなったのではない
賢者を信じる民

この民の父たちは義の道を行く
その神は私に「わたしのところに来なさい」と言う
この民は私に属している
選ばれた民
私はこの民に属していてうれしい

世界の他のすべての民と、私の民の違いは何か
他のすべての民の神々は、見えもせず、聞こえもしない神々だ
私が属する民の神は、神、主である

以下のクリップは、イシャイ・リーボーさんと、ナタン・ゴシェンさんが制作したクリップで、テロで父親を失った少年、夫を失った妻、負傷した傷とPTSDと闘う人たちが、自分と同じ立場にある人々がいることを見て、共に立ち上がることがテーマになっている。

悲しいことに、このクリップは数年前に作られたものである。今に限らず、イスラエル人はテロの犠牲になっているということである。

石のひとりごと

苦しみの時に、自分の神は誰なのか、その神に、自分と同じように所属している民がいる。それがユダヤ人を一致へと導き、どんな苦難にあっても、立ち上がる力になる。いわば民全体が家族なのである。

自分の所属がはっきりすると、その中での自分の生きている意味もわかる。同じ道を辿るその人々と苦しみも喜びも共有するとき、人は幸せになるのだろう。

また人間を超えた大きな視点、神の視点で、今の苦難をみるので、それもやがて終わることも見えてくる。自分の代ではないかもしれないが、所属の民にとってはそうなのだということがわかる。ユダヤ人はそれで満足するのである。自分の民は、そのまま自分自身だからである。ユダヤ人の強さはそこにあるように思う。

私たち異邦人も、この生き方、イスラエルの神に立ち返れるように道が備えれている。これまでこの神を知らずに、自分の力で生きようとしていた、その生き方をやめ、この神と共に生きる道が開かれている。それが、イエス・キリストの福音、救いである。

イエスは、私のいたらなさのすべての罪を背負い、罰を代わりに受けてくれた。それを信じるだけで、この天地創造の神に立ち返り、その神と共に生き、その神に属する人々と共に生きることができる。

この地上での時間をあるべき形で使っていくことができ、死んで後には、天でこの神とともに生きることができる。いいことづくめである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。