緊張が続くパレスチナ情勢。6日早朝、イスラエルの治安部隊が、テロリスト逮捕のために、観光地であるエリコに踏み込みを実施。この時の衝突で、パレスチナ人戦闘員5人が死亡した。
死亡したのは、マシンガンのような銃で、イスラエル治安部隊に向かって銃撃してきた21歳、22歳、22歳、27歳、28歳の若者で、この他7人が負傷したとのこと。
西岸地区では、パレスチナ自治政府の求心力が低下しており、若いテロ組織をもはやとりしまれなくなっている。写真のような、本格的な武器もかなりの数が西岸地区内部に密輸されていることもわかっている。
イスラエルはこれらを自らとりしまらなければならなくなっており、ほぼ毎日のように、踏み込み捜査・逮捕が行われている。そうしないと、イスラエル市内で、市民を殺戮するテロが発生してしまうからである。
当然、西岸地区各地で衝突が発生し、死亡するパレスチナ人が出る。昨年は計171人が死亡。今年に入ってからだけですでに41人が死亡した。これがまた、あらたなインティファーダ(蜂起)になるのではないかとの懸念になっている。まさに悪循環である。
今回の衝突があったエリコは、ヨルダン川に近い、観光名所の一つである。聖書にあるように、ヨシュアが占領した時代にさかのぼる遺跡やそれ以前の遺跡もある他、キリストが誘惑を受けたとされる誘惑の山もあるので、観光客には人気の町。
パレスチナ人の町だが、比較的平穏で外国人観光客も安全に訪問ができる町であった。そのエリコでこうした衝突が発生したので、衝撃は大きかったようである。ただその後も観光客をすぐ再開しているようではある。
*アルモグ・ジャンクションでのテロ事件
今回逮捕を試みたのは、先月のアルモグジャンクションでのテロ事件に関わったパレスチナ人の逮捕であった。
今年1月28日、エリコに近い大きな交差点、アルモグ・ジャンクションの近くにあるレストランに、30人ぐらいの客がいる中、パレスチナ人2人が車で乗り付け、銃を乱射しようとした。しかし、銃が不発に終わったため、負傷者はなし。2人はあわててエリコに逃げ込んでいた。
www.timesofisrael.com/palestinian-gunman-opens-fire-at-west-bank-restaurant-no-injuries/
<石のひとりごと>
天地創造の神が創造された命を、何よりも大切にするというのがユダヤ教である。だからこそ、災害時に、惜しみなく救援隊を送るのである。一方で、パレスチナ人の命については、その正反対の動きに見え、世界から非難を受けることになってしまう。
人が死亡している以上、いかなる正論もないということは、イスラエル自身が一番よく知っていることであろう。
ただ一つ言えることは、イスラエルがパレスチナ人を殺戮するに至っているのは、パレスチナ人の命を軽くみているといった人種差別からではない。そうしないと、テロが起こって、イスラエル市民が殺されてしまうのである。
トルコで被災した人々の命を救うためとして、救済に出かけるイスラエル人の様子から、パレスチナ人との殺し合いが、彼らにとっては非常に心苦しいものであるということは、感じていただければと思うのみである。。。