アメリカが9月、UNRWAから完全に撤退したことを受けて、エルサレムのバルカット市長が4日、東エルサレムのUNRWA施設を閉鎖して、エルサレム市による福祉、医療、教育に移行する計画を準備したことを明らかにした。
現在エルサレムの総人口約90万人のうち30%を超える34万人がアラブ人。この中で、UNRWAによる学校で学ぶ生徒は1800人。今学期末で閉鎖となるとのことだが、その後、生徒たちがどうなるなどの具体的な計画はまだ明らかにされていない。
バルカット市長は、アメリカがUNRWAから撤退したことで、計画を前進させることにしたことを認めている。
バルカット市長によると、これまで、UNRWAはイスラエルの定めた免許なしに学校やクリニックを運営していたという。これまで、イスラエル市という権威の中で別の権威がある状態であったとして、”パレスチナ難民”という不条理を解決する時が来たと語る。
なおバルカット市長は、今月末で市長職を辞任。国政へと移行する。UNRWAの閉鎖は市長としての最後の仕事になるとみられる。
<UNRWAの問題点>
UNRWA(パレスチナ難民救済事業機関)は、イスラエルが独立したことによって行き場をなくしたアラブ人を対象に1949年に設立された。以来70年。今も支援を続けている。
最初に支援対象とされたアラブ人(のちにパレスチナ人と自称)は、70−80万人だったが、その子孫も難民として登録されたため、今では500万人が支援を受けている。居住地も、西岸地区、ガザ地区に限らず、ヨルダンやレバノンにいるパレスチナ人も支援の対象とされる。
これは、UNRWAの活動は、イスラエルの”占領”が終わるまで継続するという考え方が基盤になっているからだが、明らかに当初の目的からはずれていることになる。
さらに、社会活動の陰でハマスなど過激派との癒着がすすみ、UNRWAへの支援金の一部がテロ資金になっていることが問題となっていた。
アメリカは、UNRWAの運営資金の3分の1にあたる年間11億ドルを負担していた。海外支援の見直しをすすめているトランプ大統領は、「UNRWAは、パレスチナ人の自立ではなく依存させている。テロ組織との癒着で平和にも貢献していない。」として、今年9月、完全に拠出金を差し止めた。
UNRWAは今、学校やクリニックの閉鎖など活動の削減を余儀なくされている。また現地パレスチナ人スタッフ(西岸地区154人、ガザ地区113人)が解雇され、職を失った。
この影響を最も大きく受けるのが人口200万人のうち130万人がUNRWAの支援を受けているガザ地区である。
ガザ地区では、こうした厳しい削減に反発したパレスチナ人がUNRWA事務所に詰め寄り、脅迫もあったため、UNRWAは急遽、職員ほとんどにあたる10人をイスラエルへ避難させた。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5361615,00.html
<パレスチナ人かつイスラエル人の言い分:Nas Daily>
少々、話はずれるが、「パレスチナ人」がだれかという問題。パレスチナ人は、西岸地区や、ガザ地区だけでなく、イスラエル国内にもいる。一般的に、アラブ系イスラエル人と呼ばれている人々である。
この人々は、自分はパレスチナ人でありイスラエル人と考えている。イスラエルで自立した生活をしているので、UNRWAのお世話になっている人は一人もいない。
その一人が、世界を旅行しながら、フェイスブックに1分間のビデオクリップ”Nas Daily”を投稿し、大ブレイクしているヌセイル・ヤシンさん(26)である。最新のフォロワーは900万人に届きそうになっている。
ヤシンさんは、カナダ在住だが、ガリラヤ地方の出身。メディアのイメージと違って、イスラエルでは、一般のユダヤ人とパレスチナ人は敵対していないと訴えている。一方で、互いの間に、盲目的に作り上げられたイメージがあり、平和を妨害していることもまた訴えている。
ヤシンさんは、イスラエル、パレスチナの問題は白黒はっきりしたものではないので、どちらか一方にのみ味方するのが間違いだと訴えている。
パレスチナ問題だけでなく、様々な情報も楽しく発信するヤシンさんの作品を見れば、パレスチナ人のイメージも変わる!?