目次
ガザとの不気味な対立続く
15日、エルサレムで、シオニストが旗の行進を予定していた日、ガザからの火炎風船がイスラエル南部にむかって飛ばされ、火災となったことから、同日、イスラエルは、ガザのハマス拠点への空爆が実施した。
しかし、その後も、火炎風船は継続して飛来し、イスラエル南部、ガザ周辺地域で火災が発生している。住宅の軒先に届いた風船もあった。ガザとイスラエルの国境周辺では、パレスチナ人たちのデモ活動もみられているとのこと。
しかし、エジプトがイスラエルの攻撃にブレーキをかけたため、16日、イスラエルからの空爆は行われなかった。しかし、その後も火炎風船による火災が続き、キブツ・ニール・アムのレモン畑3エーカー(200平方メートル程度)が焼ける被害が出た。
Times of Israelによると、イスラエル南部で焼失した麦畑は、計30エーカー(2キロ平方程度)にのぼるという。このため、イスラエルは、17日、二回目となるガザへの空爆を実施した。
標的は、ガザの広範囲にあるハマスの拠点などであった。しかし、エジプトを意識して多少手加減した攻撃であったという。ハマスは、イスラエルの脅迫には応じないとし、「新政権がたんに戦意を高めるためにやっているショーに過ぎない」と豪語した。
イスラエルは、仲介するエジプトに対し、イスラエルは容赦しないで攻撃する旨も伝えているとのこと。戦闘再燃に備え、アイアンドーム(迎撃ミサイル)の準備も行われているもよう。
www.timesofisrael.com/idf-strikes-hamas-sites-in-gaza-in-response-to-arson-attacks-report/
18日(金):神殿の丘と西岸地区でも散発する衝突
ガザへの空爆が続く中、イスラム礼拝日の18日午後、エルサレムの神殿の丘では、パレスチナ人数百人とイスラエル治安部隊との衝突が発生した。
この日神殿の丘では、午後のイスラムの礼拝が終わると、出口付近が混雑したため、治安部隊が群衆の整理をしようとしたところ、パレスチナ人16人が、治安部隊に石を投げて暴徒化した。集団はパレスチナの旗を掲げている者もいた。
この衝突で、パレスチナ人9人が負傷。3人が病院で手当てを受けている。
同じ18日、西岸地区のパレスチナ人地区ベイタ周辺でも、パレスチナ人とイスラエル軍との衝突が発生。イスラエル軍は催涙弾や、ゴムダンで対処している。負傷者は47人。
ベイタ周辺には、今年4月以降、急ピッチで建設が進むユダヤ人前哨地、エビヤタールがある。このため、周辺では、パレスチナ人との衝突が続いており、この数日の間に、モハンマド・ハマウェル(15)を含む3人が死亡。加えて、17日、アフマド・ツァヒ(16)が、イスラエル軍の銃撃で死亡した。
www.timesofisrael.com/amid-fears-of-renewed-fighting-palestinians-clash-with-police-on-temple-mount/
この他、ヘブロンでは、父祖の墓にナイフを持って入場しようとしたパレスチナ人女性が逮捕。ヒズメでは、パレスチナ人女性のマイ・アフな(29)が車でイスラエル人に突っ込んだ後、ナイフでを刺そうとしたため射殺された。
www.timesofisrael.com/palestinian-teen-shot-while-throwing-explosive-at-idf-troops-dies/
ハマスの人気上昇中?:新政権をためしている?
専門家によると、ハマスから、イスラエルへ火炎風船による挑発は、たんなるゲームであり、イスラエルの新政権の出方、エジプトの出方を見ているとも考えられている。一方で、カタールの資金を要求している可能性もある。
ハマスは、前月のイスラエルとの11日間の戦闘の後、支持率をあげている。ILTVによると、パレスチナ人への世論調査では、ハマスの指示が30%を超えているのに対し、汚職でまみれたパレスチナ自治政府の支持率は15%にとどまっている。
西岸地区で発生している衝突も、ただ絶望からの自殺行為かもしれないが、ハマスに刺激されてのイスラエルへの攻撃かもしれない。
イスラエルはどう対処するのか、状況をよく見据えて、賢く対処し、ハマスに今以上のクレジットを与えないようにしなければならないだろう。