イスラエルでは、テロ犠牲者や不審死、孤独死で数日から数週間たってから発見されたケースなど、異常な状態での遺体の収容は、ZAKAと呼ばれるユダヤ教ボランティア団体が行っている。
そのZAKAによると、今年に入ってから、自宅で孤独死した人は59人。このうち3分の1にあたる20人は、側近12日の間に発見されていた。コロナ渦によるロックダウンで、自宅隔離になっていたことが原因と考えられる。
ホロコーストサバイバーのマグダ・グライフさん(89)は、ベエルシェバの自宅で入浴中、すべって頭を打って死亡。発見されたのは、2週間後であった。
マグダさんは、一人暮らしで家族がいないため、表のドアに、「私は一人なので、飼っている小鳥6羽の世話をよろしくお願いします。」と張り紙をしていた。普段から自分がいつ死ぬかわからないと予期していたのだろう。
ペタフ・ティクバでは、70歳の女性が死亡。精神疾患を抱える娘は、母が死んだこともわからず、遺体のそばに何日も座りこんでいたところ、発見された。
死亡から3週間後に発見された自殺者(43)もいた。一方で、独居の隣人が、ほとんどみかけないと、ZAKAに連絡したため、見に行ったところ、意識不明で倒れているのが発見され、命をとりとめたケースもあった。
新政府のイツィク・シュムエル厚生相は、「我々の倫理的な責任だ。」として、各自治体に、対策案を提出するよう指示した。
またZAKAは、コロナ危機で、高齢者はまだ自宅隔離の指示が続いていることを受けて、65歳以上で独居であることがわかっている人には、毎日様子伺いの電話をかけるプロジェクトを開始した。
www.ynetnews.com/article/ryoBgaosU
<日本の孤独死について>
日本では高齢化が進んでおり、国民の27.2%、実に3割近くにあたる3515万人が65歳以上の高齢者である。このうち、独居は、男性で5人に1人、女性で4人に1人の656万人が一人暮らしである。
孤独死の人も増えているとみられるが、国レベルで、孤独死が定義づけられていないことから、正確な数字は不明というのが現状である。
www.asahi.com/articles/ASL5X55P8L5XTIPE026.html
しかし、みんなの介護というサイトによると、大阪府警が調査を行った結果、2019年の孤独死は大阪府だけで2996人。このうち、382人は、死亡してから1ヶ月以上経過してから見つかっていた。孤独死する人は、圧倒的に男性の方が多く、女性の3倍にのぼっているという。
また、孤独死の71%が65歳以上の高齢者であった。全国の年間の孤独死は、3万人と推測されるていることから考えると、毎年2万人以上の高齢者が、日本のどこかで孤独死に陥っている可能性がある。
www.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no808/
今後、コロナ禍の影響で孤独死する高齢者が増えてくると懸念されるが、数字にもメディアにもでてこないままになるのではないかと懸念される。隣に独居の高齢者がいる人は、時々声かけが必要だ。