目次
沸騰する西岸地区情勢
西岸地区では、8月末から9月にかけて10日間にわたる、ジェニンとその周辺への大規模なテロリスト摘発作戦が行われて、パレスチナ人戦闘員64人が死亡した。
加えて、過激右派入植者たちの暴力も続いており、パレスチナ人の間でインティファーダの声も出るなど、治安状況は悪化を続けている。
先週、西岸地区での紛争で死亡したアメリカ・トルコ二重国籍のアイセヌール・エズギ・エイギさん(26)の葬儀が、ナブルスで、怒りをこめて行われる様子が伝えられている。
エイギさんはアメリカ人でもあるのだが、遺体はナブルスに“殉教者”として埋葬されるという。
ヒズボラがネットを通じて、西岸地区北部(ジェニン、ナブルス、ツルかレム地域)で、パレスチナ人グループを雇う動きもあるという。
これらはイスラエルだけでなく、ヨルダン国内で混乱を起こすためにも雇用されているとみられている。
ヨルダンも国内不穏な空気
そのヨルダンだが、先週、ヨルダン川を挟む国境検問所で発生した銃撃テロで、イスラエル人3人が死亡した。一時閉鎖された国境は今は開いているとのこと。
チャンネル12が公表した情報によると、ヨルダン当局は6週間前に、同じところでのテロを計画していた4人を逮捕していた。
捜査によると、4人の拠点には、爆発物が発見されていた。
このグループは、パレスチナ組織、イランやヒズボラとも関係がない、地元ヨルダン人の組織であった。ヨルダンは、国内でのデモを誘発することを恐れて、この件を公表していなかった。ヨルダン国内に反イスラエル感情が高まっていることが懸念されている。
また、ヨルダン当局は、ネットを通じてイランやヒズボラに勧誘された部類のテログループを、この2ヶ月の間に少なくとも3グループ摘発していたことがわかった。
6月には、首都アンマン南東の工業地帯の隠れ倉庫に爆発物を発見された。
これは、ヨルダンを不安定にしようとするイラン関連の動きであったとみられている。ヨルダンも、ぎりぎりの様相になっている可能性がある。
こうした中、ギャラント防衛相と国内治安のバル長官、ハレヴィIDF参謀総長は、8日の閣議において、明らかにテロへの試みが急増していると警鐘を発した。
治安当局のトップ3人は、テロリスト逮捕能力を有する特殊部隊の増強、刑務所監房数増加、西岸地区からの不法入国とりしまり強化の他、ヨルダン警告の道路における監視システム強化など、様座穴措置を取るよう、政府に勧告した。
また神殿の丘で行われている右翼系ユダヤ教徒による、明らかな祈りについても警告を出し、これまで通りの現状維持の原則(神殿の丘は今はイスラムの聖地であることから、イスラム教徒以外は祈ってはならない)を維持するようにとも警告した。
神殿の丘を管理するのはヨルダンであり、そこでの紛争がヨルダン国内からのテロにまで発展する可能性があるからである。
イスラエル国内でテロ未然阻止ケース
Ynetによると、9日、イスラエル国内の主要道路では、テロが2件未然に防がれていた。一つは13人が乗っていた車が治安部隊に停止されて、車から両手を上げて出てくる様子が、伝えられている。
Footage shows the moment several suspects in the vehicle on the Route 6 highway were detained by police. pic.twitter.com/p73Tc2JzEL
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) September 9, 2024
このうちの一人は、ヘブロンのテログループに所属する人物だった。この時2人が逮捕され、その家を捜索したところ、多数の武器が押収された。
もう一件は、エルサレムに続く1号線上のトンネルで、違法にイスラエルに入って、犯罪に関わってその後逃亡していたパレスチナ人の乗った車が、前の車に衝突したところ、治安部隊が一気にその車を取り囲んで、中にいたパレスチナ人を逮捕した。
www.ynetnews.com/article/rjdity32c
石のひとりごと
幸い、大きなテロは今の所、事前に阻止されるケースが相次いでいる。油断なく、テロの阻止を祈り取りなしていかなければならない。