入植地に好意的なアメリカの大統領や大使が、見えてきているが、イスラエルでは、最高裁の裁定に従い、西岸地区入植地アモナ(住民約200人)をまもなく強制撤去する。
西岸地区の約4000戸を合法化するための正常化法案を国会審議にかけて、やがては法律にするという大きなビジョンを実現するため、右派勢力と政府との交渉が行われた。
最終的には、正常化法案を国会審議に乗せる変わりに、2年前からすでに最高裁から違法との判決を言い渡されているアモナの撤去だけは予定通り実施することになった。
政府は、アモナ住民に対し、もし自主的に撤退するなら、今と同じ丘の上だが、所有者が不明な場所に一時移動できるようにとりはからい、その後定住する場所を提供すること、またそれぞれに補償金を払うなどの条件を出して交渉した。
しかし、金曜朝、アモナ側はこれを拒否すると発表した。アモナ住民は、全員宗教シオニストである。エルサレムを含むユダの山々はユダヤ人の土地であると信じてゆずらない。また彼らの主張によれば、土地は購入した土地である。おとなしく撤退する理由はないのである。
撤退期限は12月25日。それまでには撤退を完了していなければならない。今週安息日明けにもイスラエル軍兵士らが来て、ガザ地区のように強制撤退が実施される可能性がある。
アモナでは、住民ではないが、アモナに同調する若者たちが集結している。撤去に来るイスラエル軍が入れないよう、妨害物を並べ、また仮設住宅を破壊できないよう、屋根の上に立つなどして、抵抗する準備を進めている。
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<ネタニヤフ首相からアモナ住民へ>
ネタニヤフ首相は、アモナ住民に対し、メッセージを送った。それによると、政府は、どうやったらアモナ住民をそのままにしておけるか、審議を繰り返したが、合法的にそれを実現する案は出なかった。
イスラエルは法治国家であるため、最高裁の裁定には、政府を含めすべての国民が従わなければならないと理解を求めた。
ネタニヤフ首相によると、法治国家としてイスラエルは民族に関係なく違法な住居は撤去するという方針を強調するため、イスラエル国内のアラブ人違法住宅の強制撤去も支持したとのこと。
また、撤去に来るイスラエル軍兵士たちは、私たちを守る息子たちであるから、彼らを傷つけないよう要請し、今は兄弟として、一つになるときであると訴えた。