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ベツレヘムのツリー点灯式
ベツレヘムでは、6日夜、まぶね広場に設置された大きなクリスマスツリーの点灯式が行われた。
例年なら、クリスマスを祝う地元のクリスチャンや旅行者で大にぎわいするところ、今年は、オンラインでの中継となり、現場は、50人までとされた。
パレスチナ自治政府のシャティア首相は現場に赴き、オンラインで見る人々に挨拶した。ベツレヘムのアントン・サルマン市長(クリスチャン)は、「今年はいつもとは違い、近代的なテクノロジーで、クリスマスの点火式になりました。希望と楽観が、パレスチナと世界の人々の上にありますように」と述べた。
大きなクリスマスツリーの周囲には、数十人がいるだけという、悲しすぎる光景となった。
www.timesofisrael.com/amid-pandemic-christmas-tree-lighting-in-bethlehem-is-a-muted-virtual-event/
以下はライブ配信
www.facebook.com/bethlehem.municipality/videos/1738572266328036
通常の点火式の様子(2016年12/6)
fb.watch/2dowivFBed/
パレスチナ自治政府のコロナ情勢
パレスチナ自治政府では、7月後半から感染が拡大し始め、11月末から1日の感染者が2000人以上、死者も毎日15人前後となった。
これまでの感染者累計は、9万8000人。死者は、828人。(これらの数値はガザと東エルサレムを含むパレスチナ人全体)
このため、西岸地区では、2週間の夜間外出規制に加え、11月27日からは、48時間のロックダウンを行った。結果、1日の感染者は、1000人台となってきたが、死者数は変わっていない。
www.worldometers.info/coronavirus/country/state-of-palestine/
www.aljazeera.com/news/2020/11/27/occupied-west-bank-enters-lockdown-amid-coronavirus-surge
イスラエル軍による13歳パレスチナ少年射殺疑惑
このような中だが、パレスチナ人とイスラエル軍の衝突は続いている。4日、ラマラ近郊クファル・マリクに隣接する地域で、イスラエル人入植地建設に反対するデモが発生した。パレスチナ人によると、この地域でのデモはすでに3週間続いているという。
4日の衝突で、アリ・アブ・アリヤさん(13)が、イスラエル軍によるとみられる銃弾に当たって死亡した。イスラエル軍は、暴動を鎮める際には、実弾は使わないようにしているとのこと。
しかし、調べによると、この時は、通常より小さい銃弾ではあったものの、実弾が使われていた。特別な標的を狙っていたところ、はずれてこアリヤさんに当たってしまった可能性があるとのこと。続けて調査が行なわれている。
5日には、悲しむ母親たちが葬儀を出す様子が伝えられた。葬儀の間にも衝突が発生し、イスラエル軍は、タイヤの火をつけたり、石を投げつけてくるパレスチナ人に対し、催涙弾を使ったという。
www.timesofisrael.com/military-police-launch-probe-into-palestinian-teen-said-shot-dead-by-soldier/
石のひとりごと
ベツレヘムのクリスマスから人が消える・・・いったいだれが想像できただろうか。まるでSFを見ているようである。観光業に頼りきっていたベツレヘムである。もともと貧しいパレスチナ人たちは、このコロナ禍でどう生きているのだとうかと思っていた。
先日、エルサレムの旧市街に行った友人が、土産物やは、ほとんど閉まっていて、あまりにも悲しい光景だったと言っていた。イスラエルの観光ガイドたちは、もう別の職業訓練に走り回っている。観光業の回復はまだ当分期待できないからである。
こうした中で、13歳の息子を失った母親の悲しみは想像に耐えない。同時に少年を射殺してしまった若いイスラエル兵の心にも、もう一生消えない負い目が刻み込まれたことだろう。
それでもなんとか生き延びていかなければならない。今朝は、ユダヤ人のサバイバルを助ける一言が心に響いている。「This too shall pass.」 これもやがて終わる。コロナは、この紛争はいつ、どう終わり、どんな世界が待っているのだろうか。
すべてを知っている天地創造の主の前にへりくだる時である。
すべてのことには定まった時期があり、天の下のすべての営みに時がある。神のなさることは、すべて時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を与えられた。しかし人は、神が行うみわざの始まりから終わりまでを見極めることはできない。
(伝道の書3:9−10)