安息日もテロ5件:パレスチナ人3人死亡 2015.10.18

17日土曜は安息日だった。しかし今日もテロは5件発生し、パレスチナ人3人が死亡した。

1)アルモン・ハナチーブ http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712335,00.html

先週、バス78番でのテロで2人の犠牲者を出したアルモン・ハナチーブで、またテロが発生した。

土曜日朝9時30頃、シナゴーグ付近の静かな住宅地で、自転車の男性があやしい動きをしているアラブ人の若者に気がつき、付近にいた治安部隊隊員らに通報した。

治安部隊がIDの提示を求めた所、大きなナイフを取り出して襲って来たため、テロリストはその場で射殺された。一般住宅の入り口前である。

テロリストは、同地区に隣接するアラブ人地区ジャベル・ムカバに在住する16才の少年とパレスチナのメディアは伝えている。 

<住民の反応>

アルモン・ハナチーブでは2回目となるこのテロは、記者宅にも非常に近い所で発生した。近くにはシナゴーグがあり、事件発生時は、まだ人々が中にいる時間だった。

中にいた人の話では、銃声が聞こえたため、皆が窓にあつまって外を見たという。みな怖がっていたという。もしこの事件が30分後に発生していたら、シナゴーグから自宅に帰る人々を巻き込んでいた可能性がある。筆者にとっても、その時間には、その道を通って、礼拝へ向う時間帯である。

現場で、え近隣に住む2人の女性に聞いたところ、「パレスチナ人ならまだわかる。イスラエルのアラブ人は、イスラエルで働いて共に生活しているのに、国内でテロをするのは赦せない。追い出すべきだ。」、「”アザゼル”に追い出すべき。」とかなり強い語調で言っていた。

*アザゼルーかつて神殿があった時代、贖罪日にほふられる羊と、”アザゼル”に追放される羊がいた。アザゼルとは、完全に国の外へ追い出し、確かに二度と返って来ないようにすることを言う・

今日は、道路が封鎖されていたので、迂回して教会に向った。約3時間後、帰宅したが、いつもは親子連れでにぎわう付近の公園も、通りにも誰一人歩いていなかった。

現場は、すでにすべてが片付けられ、治安部隊の車も警察官も誰一人おらず、まるであたかも何もなかったかのようになっていた。朝の現場を歩いて帰った。

教会の姉妹で、4人の子供たちとともにこの地域に住んでいる人の話によると、子供を一人で外出させないため、必ず学校まで親が送迎しているという。

ここ1週間、子供たちを外で遊ばせるのは危険なので、家で過ごしている。ストレスがたまるので、学校に行く上の2人以外の小さな子供たちは、今週、動物園にでも連れて行こうと思っていると、迷惑そうな顔で言っていた。

私自身はみるからにユダヤ人でないので、危険なことはほとんどないが、ユダヤ人にとっては、いつどこで殺されるかわからないという恐怖はやはりかなりひろがっているようである。

2)その他のテロ

上記テロ事件の少し前、ヘブロンのマクペラの洞窟へ行く途中のユダヤ人入植者が襲われたが、逆にその市民に撃たれて死亡した。パレスチナ・メディアによると、死亡したのはファディル・カワスミ(18)

続いてヘブロンでは、女性警察官が、パレスチナ人女性テロリストにナイフで襲われたため、反撃して射殺した。テロリストは、イスラムの衣装の女性で、バイヤン・アシラ(16)

ヘブロンでは、夜にもイスラエル兵がナイフに刺されて重傷。襲ったパレスチナ人はその場で射殺。その後、同様のテロは、エルサレム北部、カランディア検問所で発生した。計5つのテロ事件となった。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712454,00.html

これまでにパレスチナ人のテロで死亡したユダヤ人は7人。襲われたユダヤ人の反撃と、暴動での対処で死亡したパレスチナ人は39人に上っている。(Yネット)

<迷惑する一般のアラブ人たち> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4712551,00.html

イスラエルの一般のアラブ人たちの多くは、ユダヤ人とともに働いている。こうしたテロには反対する立場である。

こうした一般のイスラエル・アラブ人たちは、テロが続くにつれて、ユダヤ人たちのアラブ人全体への反感が高まり、いつか報復されるのではないかとの恐怖を感じているという。

そのため、アラブ人たちの多くが仕事を休んでいるとYネットは報じている。建設現場などでは、パレスチナ人もイスラエル領内へ働きに来ているが、途中に多数の検問所があるなどで、働きに来れなくなっている。

一方、検問所の設置により、急病人を病院へ搬送することにも影響が出始めて、アラブ人たちからは不満も出ている。

アラブ人ビジネスへの打撃も大きい。ナザレでレストランを経営するアシュラフ・カタイェフさん(63)によると、ユダヤ人もアラブ人も恐れて家に入っているので、客がほとんど来なくなっているという。

南部には、ラファットを代表するベドウインの町がユダヤ人の町と混在している。多くのベドウインがユダヤ人とともに働いている。しかし、ラファットでは、ユダヤ人の運送屋が恐れて配送に来ないため、店の商品が不足しているという。

イスラエル国内のユダヤ人とアラブ人が混在する町が特にお互い恐怖に包まれ、緊張した状況にあるもようである。

ユダヤ人とアラブ人が混在し、過去にも暴動を何度も経験している町では、アッコがある。アッコのための祈りも必要である。

<エルサレムの講壇から:アラブ人に福音を!!>

エルサレム・アッセンブリーでは、メノー牧師は、「今、アラブ人たちも、イスラムだけが、常に争いと死に関わっている事に気づき始めているはずだ。彼らが福音に目覚めることこそが解決だ。

アラブ人たちの救いのために祈れ。アラビア語のトラクトをたくさん用意したから持って返ってほしい。」と訴えた。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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