イスラエルでは、今のところ、ベニヤミナとモデイーンに限局してはいるものの、新型コロナ(インド株)の感染が1日に100人を超えてきている。
このため、イスラエル政府は、23日、コロナ閣議を再開し、議論した結果、外国人(ワクチン接種完了)個人の受け入れを7月1日から始めるとしていた計画を、8月まで延期することを決めた。
www.timesofisrael.com/israel-delays-reopening-of-borders-to-vaccinated-tourists-until-august/
また今後、100人以上が1週間続くようであれば、解除した屋内でのマスク着用義務などの感染対策義務を復活させるとの方針で合意した。
しかし、政府が動くのを待つとなく、多くの市民は、すでに屋内、屋外でもマスクを着用している人が増えているとのこと。
www.ynetnews.com/magazine/article/ByP00XTxhd
<12-15歳ワクチン促進へ>
今、拡大しているインド株の感染は、まだワクチン接種を受けていない若年層に多くみられている。このため、イスラエル政府は、さらにファイザーのワクチンを追加購入し、若年層への接種を進める方針である。
www.timesofisrael.com/israel-pushes-vaccine-for-teens-amid-fears-over-fast-spreading-delta-variant/
しかし、イスラエルでは、これまで12-15歳の子供達へのワクチン接種については慎重であった。心筋炎の副反応が懸念されることや、5年後、10年後といった長期の副反応が確認できていないからである。
特に先週までは、感染がかなり抑え込めていたので、接種しない人が多かった。
しかし、今、インド株がイスラエルにも入り込み、感染拡大が懸念される中、子供達への接種がすすみつつあると伝えられている。
余談になるが、先週、パレスチナ人が、期限切れまじかだと言って返却してきたワクチンと同じものが、今、イスラエルの子供達への接種に使われているとのこと。
*mRNAワクチンの若年層への副反応について
アメリカのCDC(疾病対策予防センター)は、ファイザー、モデルナによるmRNAワクチンと、心筋炎の副反応に関連性を認めるとの発表を行なっている。しかし、非常に稀なので、接種のリスクは、コロナに感染するリスクより低いとしている。これは、イスラエルの保健省も同じ見解である。
たとえば、アメリカの数値で計算すると、12-17歳100万人がワクチン接種をしなかった場合、5700人が新型コロナに感染して発症する。このうち215人が入院を要し、71人が重症化し、2人が死亡する。
しかし、同じ条件で、ワクチンを接種した場合、56-69人が、心筋炎を併発する可能性があるものの、新型コロナに感染しないので、重症化や死者も予防できると説明する。
一方、イスラエルの保健省からは、mRNAワクチンと、心筋炎との関連性に加えて、TTT(血栓性血小板減少性紫斑病:血管内で血栓ができる)を発症する可能性も指摘されている。イスラエルの保健省は、こちらも、相当稀なケースになるので、ワクチン接種を控える理由にはならないとしている。
とはいえ、自分の子がもしかしてその稀な一人となって、心筋炎やTTTを併発してしまえば、それがすべてになってしまう。保護者にとっては難しい決断であろう。
www.timesofisrael.com/us-to-add-heart-inflammation-warning-for-covid-mrna-vaccines-for-teens/