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エジプト国境でイスラエル兵3人死亡
4日朝、9時ごろ、ネゲブ地方からそう遠くない、エジプトとイスラエルの国境を警備していたイスラエル兵2人、リア・ベン・ヌン軍曹(19)と、イツハク・イルーズ軍曹(20)が、銃殺されているのが発見された。
テロ事件として軍はただちに周辺の捜索を開始。3時間ほどたって、ドローンが現場から1.5キロ付近に不審なエジプト人警察官がいるのを発見したため、イスラエル軍が包囲したところ、エジプト人が発砲し、銃撃戦となった。
この戦闘で、オハド・ダーハン軍曹(20)が死亡。1人が軽傷を負った。エジプト人は射殺された。これについて、エジプト軍は、侵入していたのは、エジプトの国境警備員で、麻薬密輸犯を追跡していたと説明している。
なお、この事件の数時間前の午前2時30ごろ、イスラエル軍は、エジプトからイスラエルへ国境を越えて、麻薬を密輸しようとする試みを阻止し、40万ドル(約6000万円)相当の麻薬を押収することに成功していた。この一件は、午前4時半には落着していたという。
ベン・ヌンさんと、イルーズさん(20)は、その後、交代までの9時までは任務に戻ったのであった。軍は、2人が銃殺されたのは、午前6-7時と見ている。これまでにわかったところによると、2人は、反撃するまもなく射殺されていることがわかっている。
現場は、イスラエルとエジプトが麻薬密輸とりしまりで協力するため、緊急に簡易で出入りしていた非常口付近で発生していた。ハレヴィ軍参謀総長は、なぜこんな事件に発展したのか、徹底的に解明するとし、特別担当班を任命した。
大きすぎる犠牲:3人の葬儀
死亡した3人は、昨日日曜、それぞれの出陳地の軍用墓地に埋葬された。葬儀には数千人が出席して、悲しみを共有していた。元気ざかり、人生これからの19歳と20歳を失った家族、友人の喪失と悲しみは想像を絶する。
エジプトとイスラエルの今後
今回の事件は不明点が多く、エジプトとイスラエルは共同で調査を行なっている。イスラエル側にも多くの疑問点が残る。
エジプト人警察官は本当に麻薬犯を負っていたのか、それ以外の何か目的があったのか。
イスラエルでも、現場は、ほとんど無人に近い砂漠地帯であり、エジプトから警察官が簡単に出入りできる環境にあったことに問題はなかったのか。なぜ2人が射殺されてから発見までに3時間もかかったのか。
エジプトからイスラエルへの麻薬の密輸は、ネゲブ地方のベドウインを経由して、これまでからも横行していた。今回の事件もテロではなく、犯罪関連と見られている。この事件を通じて、イスラエルとエジプトの関係が悪化する可能性は否定できないものの、逆に連携が前進する可能性もあるとみられている。