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ロシアがウクライナ東南部併合へ王手
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ロシアが、ウクライナ東南部で、住民投票を強行していることは、ニュースで連日報じられている通りである。
投票とはいえ、兵士が個別訪問で票を集めているなど、投票が自由なものではないことは明らかである。
住民投票により、ロシアへの併合が住民の希望だとの状況を作り上げ、それを元に、一方的にロシアへの併合を宣言する。2014年のクリミア半島を併合した時と同じ手である。
もし、このまま併合が宣言されてしまうと、もしその地域をウクライナが攻撃した場合、ロシア領土を攻撃したということになり、ロシアは大々的な“防衛”戦争に打って出てくるだろう。
そうでなくても、東南部を抑えられると、ウクライナは海路を大きく失うことになり、結局ロシアの言いなりにならざるを得なくなる。プーチン大統領、実に計算深く、こうかつに動いているようである。
また、これに先立つ22日、プーチン大統領は、兵役経験のある30万人に総動員をかけて、国境警備を増強する意向を示し、“あらゆる方策を使う”と核への攻撃や、核兵器使用も辞さない覚悟を表明した。
実際、南ニコライエフ原発からわずか300メートルの地点に、ミサイルを打ち込んだり、ザポリージャ原発への攻撃で、また一時電源が使えなくなるなど、その本気度をアピールしたかと見られるような攻撃も行っている。
www3.nhk.or.jp/news/html/20220922/k10013832251000.html
核兵器を使うのか、原発への部分的攻撃で、放射能をまきちらすのか。予測不能なプーチン大統領を前に、西側は、さすがに核への脅迫は「時間稼ぎのハッタリ」だという声や、「いや。ハッタリではない。プーチンならやりうる。」という論議が飛び交っている。しかし、西側は結局、動けないまま、今の状況を見守るしかできていない。
こうした中、ロシアが買ったイラン製のドローンがオデーサを攻撃し、市民1人が死亡した。ロシアとイランという、今現在、世界に懸念を落としている国の接近が明らかになりはじめて、混乱にさらなる混乱の気配も見せている。
国連総会で戦犯指摘:孤立するロシア
これら一連の動きは、世界がニューヨークの国連本部に集まり、総会を行っている最中のことである。国連は23日、国連人権理事会が設置した調査委員会の結果として、「戦争犯罪が行われた」との明確な結果を出した。
しかし、国連安保理において、ロシアのラブロフ外相は、これまで通りのロシアの正当性を主張し、話が終わると、他国の話を聞かずに、席を立って退出していった。
この後、アメリカのブリンケン国務長官は、「もし一人(プーチン大統領)が戦いをやめたら、戦争が終わる。もしウクライナが戦いをやめたら、ウクライナが終わる。」と述べた。要はプーチン大統領がやめたら、戦争は終わる。しかし、もしプーチン大統領がやめない場合、戦争は終わらず、泥沼になる。世界戦争へと発展していく可能性が出てくるということである。
www3.nhk.or.jp/news/html/20220924/k10013834281000.html?word_result=ウクライナ情勢
兵役か脱出か?:大混乱のロシア国内
プーチン大統領が30万人の国家総動員令を発表するとまもなく、全国で市民による大規模な戦争反対デモが発生。1300人とも言われる数の人々が、逮捕された。しかし、その直後からは、召集令状が来る前に、ビザ不要の外国へ脱出しようとする人が航空券購入に殺到。ロシアを出るフライトは、相当な高価格になりながらも、すぐにすべて満席になったといったニュースが流れていた。
今は、陸路でしか脱出できない人々が、長い車列をなしている。反戦デモのニュースは聞かれない。一方、まるで第二次世界大戦中のように、恋人や夫、父親を泣きながら送り出している人々の様子が報じられている。BBCによると、兵役を拒否した場合、刑務所に10年入れられることになるという。
これまでプーチン大統領に賛同を表明していたかもしれないロシア市民たちも、さすがに自分の家族の命にまで関わってくると、もはや他人事ではなくなってきたのだろうといった、若干嫌味な記事も出ている。
石のひとりごと
ラブロフ外相が、国連安保理から立ち去る様子から、第二次世界大戦前の1933年、満州国を設立した日本が、国際連盟総会で世界から反発を受け、代表の松岡洋右が立ち去った様子を思い出した。日本はこの後、国連を脱退。続いてナチスドイツも国連を脱退して、両国は孤立し、世界大戦へと発展していったのであった。
ロシアはここからどう動くのだろうか。なんとなく、いやな予感を振り切れないというような嫌な感じもある。主のあわれみを祈るしかない。。