先週、パリでイスラム国に対処する国際会議が開かれたが、時間がたつにつれて、実戦においてアメリカに協力するのはフランスとイギリス、オーストラリアということが明らかになってきている。
その中で先を切って、フランスがイラク領内のイスラム国の武器庫などへの空爆を実施した。これに対するイスラム国からの反応は今のところない。
<”国”体制を整えるイスラム国> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4573040,00.html
Yネットによると、イスラム国は着々と、国体制を整えている。バグダディを筆頭に、シリアとイラクにそれぞれ指導者を一人づつ立てている。イラクではその下に7人の知事的な存在が立てられている。
イラクでは、「警察組織」が立ち上げられ、イスラムに改宗しないものの取り締まりを強化し、徐々に国体制を整えつつある。
<イスラム国に傾く!? トルコ> http://www.bbc.com/news/world-middle-east-29294656
一方、イスラム国は、金曜、シリア北部、トルコとの国境60の町を占領するに至った。難民となったシリア人が一斉にトルコへ逃げようとしたが、一時トルコがこれを拒否するという悲惨な状態となった。
数時間後に、国境が開かれて、45000人のシリア難民(多くはクルド人と見られる)がトルコへ入っている。これでトルコに入ったシリア難民は84万7000人。
トルコは、自国民が多数、イスラム国に加入している。昨日、6月からイスラム国に拉致されていた49人が、無事解放されて、トルコへもどった。トルコの外相によると、武力でもなく、身代金を払ったのでもないという。
トルコは、NATOの一員でありながら、アメリカのイスラム国包囲網には加わっていない。むしろイスラム国と通じているとも言われている。
<アメリカは混乱している!?> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4572561,00.html
オバマ大統領は、19日、アメリカ本土防衛にとって、イスラム国よりも、シリアにいるアルカイダ系コラサンの脅威の方が現実にさしせまっているとの見解を発表した。(また新しいテロ組織の登場でうんざりするが。。。)
コラサンは、アフガニスタンやパキスタンで活動するアルカイダ系ヌスラ戦線の一派。シリアの内戦に乗じてシリアに入り込んだ。これはシリアの反政府勢力を助けるためではなく、混乱に乗じてシリアに入り込んで来た欧米の若者を取り込むためである。
それらの欧米の若者ならば、怪しまれずにアメリカへも入国が可能で、それらの分子にアメリカ国内でのテロを決行させる恐れがあるというのである。
アメリカ政府は、昨年7月から、中東問題は、イスラエル・パレスチナ問題を解決すれば、すべてが解決に向かうと計算し、ケリー国務長官をかなり頻繁に遣わした。その間に、シリアでは、これまでになく危険なテロ組織たちが、強大に成長する時間を与えてしまったとも言われる。
またアメリカ軍トップが、地上軍もいたしかたない状況になるのではないかとの見解を口走ったが、オバマ大統領は即座にそれを否定。地上軍は絶対に派遣しないと言い切った。アメリカ政府は、中東情勢が読めていないと批判する記事も出始めている。