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アメリカ名門コロンビア大学から始まった反イスラエル・ユダヤデモ
アメリカでは、名門とされるコロンビア大学で、親パレスチナの学生たちが、イスラエルを非難するとともに、イスラエルの軍事力を削いで、ガザへの攻撃をやめさせようと、経済を含む接点を断ち切ることを大学に求める大規模な反ユダヤ主義デモを、継続している。
コロンビア大学に続いて、同様の反イスラエルデモが、全米200の大学にも拡大しており、反ユダヤ主義へと拡大して、ユダヤ人学生たちの安全が危ぶまれる事態になっている。
これを受けて、政府も動き始めた。共和党マイク・ジョンソン下院議長は、コロンビア大学を訪問後。記者会見にて、将来を担う学生たちにと呼びかけ、「発言の自由は認めるがこれはその方法ではない。このナンセンスを直ちにやめて、直ちに教室へ戻れ」と語った。またユダヤ人学生たちには、政府は全力を挙げて、安全を守ると強調した。
また、シャフィク学長は、混乱を鎮静化できていない責任をとって辞任を要求すると発表した。
1)コロンビア大学親パレスチナ・反イスラエルデモ:イスラエルとの経済・学術的関係断絶を要求
ニューヨークにあるコロンビア大学では、ガザでの戦争勃発以降、親パレスチナの人々がイスラエルを非難するデモを散発させていた。
特にここ数ヶ月、親パレスチナ主義の学生はキャンパス内にテントを貼って、イスラエルは、アパルトヘイト(じん酢差別)、ジェノサイド(民族強化虐殺)を行っていると、イスラエルへの激しい抗議活動を行っていた。
コロンビア大学のシャフィク学長は、これは大学の方針ではないとして、学生と交渉し、撤退を求めたが、理解を得られなかったため、18日、警察を呼んだ。学生たちは、警察と衝突となり、大混乱の中、デモ参加者の半分にあたる約100人が逮捕された。
この広場には、今も「ガザ連帯の野営地」と称して、テントで泊まり込みでイスラエルに抗議するデモが続けられている。100人逮捕されたが、新たに加わる学生がいるので、デモは小さくはなっていない。
デモ隊は、ユダヤ人学生が学内に入ることを妨害したり、十字軍の様相の者や、「ポーランドへ帰れ!」と言うなど、欧米社会の伝統的な反ユダヤ主義と、その流れの中で発生した、ホロコースト前夜を連想させるような動きにもなっている。
さらには、「アル・カッサムを誇りに思う」「テルアビブを燃やすことこそ正義だ」「ハマスよ。あなたを愛している。あなたのロケット弾もだ」と言った叫びも聞かれている。
America we have a problem
“Al-Qassam, you make us proud, take another soldier out”
“We say justice, you say how? Burn Tel Aviv to the ground”
“Hamas, we love you. We support your rockets too”
Extremists at @Columbia chant in support for Hamas terror.
— David Saranga (@DavidSaranga) April 21, 2024
コロンビア大学には、約5000人のユダヤ人学生がいる。在学生は約3万7000人なので、7-8人に1人はユダヤ人学生である。
ユダヤ人学生たちは身の危険を感じている。しかし、一方で、これはイスラエルに対する反発であり、ユダヤ人に対するものではないとして、恐れていないと言うユダヤ人学生もいる。
アメリカで生まれ育ったユダヤ人は、イスラエルに反発する人も少なくない。特に現政権が右傾化して以来、その傾向が目立つようになっている。しかし、反イスラエル主義の人は必ず反ユダヤ主義でもあるので、ユダヤ人である限り、イスラエルを支持しないからといって、反イスラエル主義と無関係であることはできないだろう。
www.nytimes.com/live/2024/04/18/nyregion/columbia-university-protests
2) 全米に拡大する反イスラエルデモ
コロンビア大学の流れは、南カリフォルニア大学、テキサス大学(30人以上逮捕)、ミネソタ大学、ハーバード大学、ミシガン大学、オハイオ州立大学、ブラウン大学、他、有名な大学で次々に波及している。
「パレスチナに自由を!」と叫び、パレスチナ人に対する爆弾を作らせないよう、イスラエルとの経済的な接点を断ち切ることを要求。
学生たちは、今自分達こそが、正しいところに立っていると主張している。
ネタニヤフ首相コメント:反ユダヤ主義は世界の危機の前兆になる
アメリカの大学で拡大する親パレスチナ、反イスラエルのデモについて、ネタニヤフ首相は、英語で「反ユダヤ主義の暴徒が大学を占拠している。その訴えは、イスラエルの滅亡であり、ユダヤ人学生や教授を攻撃する。これは、1930年代のナチドイツの大学で起こっていたことだ」と訴えた。
こうした動きは阻止しなければならないが、責任を負う大学は手をこまねいている。政府関係は動き始めているが、十分ではない。
またネタニヤフ首相は、イスラエルがジェノサイドの危機に立たされれいるのに、逆に間違って、イスラエルがジェノサイドだと非難されている。さまざまな嘘が信じられるのが、反ユダヤ主義だが、これは、後に世界に大きな危機をもたらす前兆になる。
世界は今、世界のためにもこの反ユダヤ主義の波を止めなければならないと警告した。
Anti-Semitism on campuses in the United States is reminiscent of what happened in German universities in the 1930s.
The world cannot stand idly by. pic.twitter.com/oHlwig1vCl
— Benjamin Netanyahu – בנימין נתניהו (@netanyahu) April 24, 2024
石のひとりごと:異常事態・・
アメリカはいったいどうなったのか。世界で最も賢い人々が集まっているアメリカの名門大学で、ここまでイスラエルを完璧に非難できるというのは、どうにも理解できない事態である。
これまで名門大学は、数々のユダヤ人学者や、イスラエルとの技術協力もあったはずだが、それを全部断ち切るという。イスラエルではなく、虐殺をおこなっているハマスやヒズボラを支持するということだが、どうしてそうなるのか。
ネタニヤフ首相が言うように、かつて、ユダヤ人排斥運動ホロコーストが始まる前のドイツ社会と、今、全米の大学で見られる極端なイスラエル嫌悪に共通するものがあることは否定できないだろう。
この背景には、無意識のうちに世界にある反ユダヤ主義感情に火がついたという側面もあるような気がする。やはり、世界は今、イスラエルをどう見るのかで、ふるいにかけられているように思う。
聖書はなにはともあれ、イスラエルは見捨てられないとはっきり書いている。
イスラエルが無罪放免というわけでは、絶対にないが、私たちの理解を超えて、イスラエルは、人間の罪と愚かさを伴う形で、神、主の存在とその救いを、現実のことで証明する国なのである。
だから、たとえ理解に苦しんでも、イスラエルを敵に回すことは、賢明なことではないと、筆者は信じている。
あなたがた(イスラエル)はわたしの証人、―主の御告げ―わたしが選んだわたしのしもべである。これは、あなたがたが知って、わたしを信じ、わたしがその者であることを悟るためだ。わたしより先に造られた神はなく、わたしより後にもない。
わたし、このわたしが、主であって、わたしのほかに救い主はいない。聖書イザヤ書43:10-11