上記のようなイスラエルとアラブ人の対立が続く中、イスラエルに住むアラブ人は複雑である。本音を言えば、イスラエルで平和に暮らす方がいいと考えているアラブ人は少なくない。
しかし、その本音を言えば、身に危険が及ぶため、皆黙っているのである。しかし、この現状を打開しなければならないとして立ち上がったアラブ人もいる。まだ一部だが、イスラエル国籍のアラブ人クリスチャンたちである。
23日、イスラエル国籍のアラブ人クリスチャンたちが、「アラブ人全員が反イスラエルではない。」と訴えるシンポジウムを行った。
シンポジウムに並んだのは、ナザレ在住のギリシャ正教司祭、アルメニア人で、アラブ人クリスチャンの兵役をすすめる担当官など。
最近アラブ人クリスチャンの若者たちが、イスラエル軍への従軍を希望するようになっており、実際に兵役につく若者が増えているという。
<明確な福音を語るギリシャ正教神父>
ギリシャ正教のガブリエル・ナダフ神父らは、キリストの教えがユダヤの教えなしにはありえないこと。そこに明確な継続性があると語った。
この原理の上に、福音があるとして、神父は、40人ぐらいのユダヤ人とみられる記者たちを前に、ヘブル語で、イエスの十字架の死による罪の赦しと復活まで、はっきりと明確に、福音を語った。
神父らは、アラブ人クリスチャンたちは昔から聖地に住んでいたのであり、イスラエルとは関係が深い。イスラム勢力が台頭している今、イスラエルはクリスチャンにとっても守るべき聖地。だからイスラエル軍に従軍してユダヤ人と共に、この地を守るのは当然だと語った。
特記すべきことは、彼らが「イスラエルはユダヤ人の国であるべきだ」と明言したことである。自分たちは、ユダヤ人が支配するイスラエルの一員として住むことを願っていると全員一致で語った。
中東諸国をみれば明らかだが、ユダヤ人の支配するイスラエルでのみ、クリスチャンも平和に生きているからだと語った。なお、このような思想を推進しているためナダフ神父の身辺は非常に危険になっているという。
*パキスタンでは22日日曜日、礼拝中のキリスト教会で2つの自爆テロがあり、81人が死亡している。