<シリア情勢>
1)アサド大統領はまだ化学兵器を持っている:亡命元シリア軍司令官
化学兵器の使用も保有も完全に否定しているアサド大統領だが、Yネットやアル・アラビアが伝えるところによると、2014年に、完全に国際社会に提出したと申告したはずの化学兵器は、全体の半分に過ぎなかったという。
残りは今もホムス近郊の山岳地帯に、厳重に隠してあると、亡命した元シリア軍司令官(化学兵器担当)が明らかにした。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4949399,00.html
2)反政府勢力?避難民のバス車列を攻撃:39人死亡
シリアでは、シリア政府軍の包囲、逆に反政府勢力に包囲されたまま、市民が拷問されたり餓死者が出るなど悲惨な町が多数ある。
このため、詳細は不明だが、4つの町(政府支配域の2つと反政府勢力支配域の2つの町)の市民約3万人をそれぞれ脱出させることになったようである。
AFP通信によると、14日、政府支配域から5000人、反政府勢力支配域から2200人が、数十台のバスにのって脱出をはじめた。
ところが道中、政府支配域から脱出してきた市民らのバスが、反政府勢力の車両爆弾にあい、これまでに39人が死亡した。この数はまだ増える可能性がある。この攻撃の後、バスの車列は、ロシア軍が警護しているという。
BBCが伝えるところによると、政府軍、反政府軍、いずれかに包囲され、餓死者もでるような悲惨な状況に置かれているシリア市民が、64000人はいるとみられている。
www.bbc.com/news/world-middle-east-39609288
現在のシリア情勢は、おおまかにいうと、ロシア、イランの後ろ盾で、シリア政府の勢力が盛り返し、ISISを含む反政府勢力が劣勢になってきた、という状況だった。
そうなったのは、つい先月まで、トランプ大統領が、シリア不介入を表明していたことも要因となっている。少ないながらもアメリカの支援を受けていた反政府勢力が劣勢になったことで、シリア政府側が優勢になったのである。
ところが今、トランプ大統領は、シリアに対する方針を180度転換し、アサド政権の排除にとりかかっている。これが解決に向かうのか、さらなる混乱に向かうのか。。。今はまだ不透明のままである。
いずれにしても、シリア市民にとっては地獄の沙汰である。ライディング師に示されているように、シリアの次世代の子供たち、若者たちを主があわれみ、救いに導かれることが、将来のシリアにとっての唯一の希望である。。。
<アフガニスタン・イラク:ISIS撃滅にむけての動き>
1)アフガニスタン:米・巨大爆弾の結果
アメリカが、巨大な爆弾モアブをアフガニスタンに投下したが、BBCが、投下された地域総督の情報として伝えたところによると、この爆撃で、ISIS戦闘員少なくとも90人が死亡した。
市民の犠牲者は、今の所、報告されていないが、アフガニスタンのカルザイ大統領は、「アメリカの行為は非人道的」と非難している。
www.bbc.com/news/world-asia-39607213
2)イラクのモスル戦闘の状況
イラクのモスルでは、イラク軍がISISを徐々に追いつめている。BBCによると、イラク軍は、モスルの主要なモスクへの攻撃に入っていたが、14日、アメリカ主導の有志軍による空爆で、最高宗教指導者とみられるムフティのアブダラ・アル・バダラニが死亡したという。
このムフティは、独裁で、拷問や性的奴隷などの許可を出した人物とみられており、ISISにとっては大きな打撃になったとみられる。http://www.bbc.com/news/world-middle-east-39603491
しかし、首謀者であるアル・バグダディは、声明一つだしておらず、まったくどこにいるかわからない状況である。また、BBCによると、ISISはモスルの子供たちを人間の盾として使っており、状況は変わらず悲惨。
www.bbc.com/news/world-middle-east-39475591
<トルコ:エルドアン大統領の権力増大なるか>
トルコでは、16日、大統領の権限増大を含む憲法改正に関する国民投票が行われる。これにより、首相職が廃止され、大統領と副大統領になる。大統領の権限が強大化するとみられ、懸念されている。
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170414-00000060-jij-m_est
なお、トルコはISISに敵対する立場である。日本の外務省は、明日トルコの投票所が、ISISによるテロの標的になる可能性があるとして、近づかないよう、警告を発している。