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上海協力機構会議が欧米対立姿勢
中国とロシアが、主導する上海協力機構(SCO)が、15-16日、ウズベキスタンで開催された。上海協力機構とは、旧ソ連の崩壊に伴い、不安定になったユーラシア一体の地域が共に集まり、テロや過激派、分離主義などから互いに守り合うことを目的に、2001年に、正式に発足した国際機構(事務局は北京)である。
初代からの参加国は、中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンが加わった。2018年からは、インドとパキスタンも加盟して8カ国となった。これまではオブザーバーであったイランとベラルーシが、来年から正式に加盟することが決まり、10カ国体制になる。
現時点でのオブザーバーは、アフガニスタン、モンゴルで、対話パートナーとして、アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、ネパール、トルコ、スリランカの首脳たちも出席していた。さらに日経新聞によると、エジプトとサウジアラビア、カタールが対話パートナーに加わることが決まったとのこと。UAE、クエート、ミャンマー、バーレーン、モルディブも参加手続きを始める。
この世界機構が何をしているのかは、若干わかりにくいのだが、近年、軍事同盟化も指摘されていた。ロシアと中国が、東シナ海やオマーン湾などで共同軍事訓練を行なっているからである。
こうした中で、今回出された共同宣言では、政治、経済、安全保障、文化における協力拡大とともに、世界が今大きな転換期にあるとして、「アメリカ一強世界」に対抗する「多極的世界秩序」の強化を目指すと言うことが盛り込まれた。欧米に挑戦する勢力になりつつある。
これに対抗する欧米の動きは、米日豪印のクアッド、米英豪のオーカスである。
www.nikkei.com/article/DGXZQOGR154YV0V10C22A9000000/
中露首脳会談:結束をアピール
SCOでは、中国の習近平国家主席と、ロシアのプーチン大統領が、ロシアがウクライナ侵攻を開始してから、初めてとなる対面式の首脳会談を行った。この会談で、プーチン大統領は、ウクライナ問題に中国がバランスのとれた対応をしてきたと評価した。
また台湾問題において、中国の「一つの中国」方針を指示していると表明。結束をアピールしたと報じられている。プーチン大統領は、経済制裁の抜け穴として、中国、イラン、北朝鮮などとの貿易が急増していることがわかっている。インドもロシアに武器を売り、燃料を買う関係にあり、交易は続いている。
www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09CAD0Z00C22A9000000/
印露首脳会談:モティ首相が「今は戦争の時代ではない」
プーチン大統領は、16日、インドのモディ首相とも会談の時を持った。モディ首相は、プーチン大統領に「今は、戦争の時代ではない。民主主義、外交、対話で平和を目指すことを世界に示す時だ。」と伝えた。
プーチン大統領は、ウクライナが交渉を拒否しているので、軍事的に決着をつけたいと主張した。
www3.nhk.or.jp/news/html/20220916/k10013822021000.html
会議と並行:ウクライナ解放地域から400人以上の集団墓地発見
プーチン大統領がこうした国際会議に出席している間、ウクライナでは、東南部でウクライナ軍が、大きく領地を奪回しつつある。東部ハリキウ州では、16日、ロシア軍が撤退したイジュームにゼレンスキー大統領が訪問して、ウクライナ軍の勝利を強調した。
そのイジュームだが、先のキーウ周辺の町ブチャで発見されたようなロシア軍による残虐な行為が、発見されている。特に拷問の跡もある遺体440体以上が、集団墓地のような穴から発見され、世界を震撼させている。ゼレンスキー大統領によると、市民500人以上が埋められている可能性があるという。
www3.nhk.or.jp/news/html/20220916/k10013777171000.html
ウクライナでロシアがしていることは、19世紀ばりの明らかな戦争犯罪である。にもかかわらず、これほど多くの国々が協力をしていこうとする様子になんとも、頭がぶっ飛ぶ思いがする。これまでからも言われているように、ウクライナを攻撃しているロシアを非難しない国々の方が多いぐらいなのである。
加えて、ロシアは自給自足であり、制裁に加わらず、ロシアとの貿易を続ける抜け道もたくさんあるということである。だからウクライナでロシア軍が押され気味であるのに、まだ「ロシアは何も失っていない。むしろ主権を強化した。」と言えるのである。
またプーチン大統領は、世界で広がる食糧危機について、ロシアに経済制裁を続ける欧米社会のせいであると述べ、世界はロシアを孤立させることはできないと語った。
www.jiji.com/jc/article?k=2022090700680&g=int
石のひとりごと:上海協力機構に見る霊的な懸念?
上海協力機構(SCO)は、どう考えても戦争犯罪を否定できないロシアを普通に含む国際同盟である。それぞれの国の事情がそうさせているのだが、とんでもない殺戮をそのまま飲み込んでいる様子などからは、背後に何か霊的な動きもあるのかとも思わせられる。
実際、SCOの軍音楽祭でダビデの星ならぬ5角の星を描いている。無論なんの意味もなかったかもしれないのだが、なんとも不気味・・。
en.wikipedia.org/wiki/Shanghai_Cooperation_Organization_Military_Tattoo
また、日経新聞は、軍事同盟の色合いもあるが、欧米諸国からなる北大西洋機構(NATO)のような“一枚岩”ではないと書いていた。聖書には、終わりの時にこうした一枚岩ではない国々の集まりが現れることが予言されている。無論、SCOがそれだと言っているのではない。しかし、その状況を想像しうる様子ではないかとちょっとびっくりした次第である。
・・あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。その国には鉄の強さがあるでしょうが、あなたがご覧になったように、その鉄はどろどろの粘土と混じり合っているのです。
その足の指が一部は粘土であったように、その国の一部は強く、一部はもろいでしょう。鉄とどろどろの粘土が混じり合っているのをあなたがご覧になったように、それらは人間の種によって、互いに混じり合うでしょう。しかし、鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。(ダニエル2:42-43)
聖書によれば、この混乱の時代に、一つの国が起こされて、これらの国々を打ち砕いて、絶滅させ、永遠に立つ国となると書かれているわけである。