25日夜、北ガリラヤ地方、レバノンとの直国境、マナラ、イフタフ、ミスガブアムといった地域で、治安上侵入者か、もしくはなんらかの火急の危機がせまっていたかで、イスラエル軍が、照明弾を複数打ち上げ、付近の道路を封鎖するとともに、市民にはシェルターにとどまるようにとの指示を出した。
The IDF fired light bombs at Zaura at the foot of the Golan Heights, in the airspace in the area of Mays al-Jabal in southern #Lebanon. Following a security incident pic.twitter.com/nU8wEaYT39
— H&A🤝 (@HanneyAngel) August 25, 2020
レバノン側のメディアによると、上空では、イスラエルが多数の警戒機が飛び回り、もののしい様相になっていたようである。レバノン側国境でも小さな火災が発生していたとのこと。幸い、双方に大きな被害は発生していない。
ヒズボラは、7月20日にイスラエルが、シリアのイラン関連施設を攻撃した際に、組織のメンバーが死亡したことを受けて、イスラエルに復讐を宣言していることから、北部国境では、高い警戒態勢が続けられていた。その後、ベイルートでの大爆発を受けて、ヒズボラの攻撃能力は下がっていると判断され、警戒態勢が若干レベルダウンされたところであった。
<ベイルート大爆発とヒズボラ関与疑い濃厚>
ベイルートの港での大爆発だが、この港はヒズボラが、武器の搬入に使っていた港である。そのヒズボラは、硝酸アンモニウムを無事として貯蔵、使用していた過去が記録として残されている。
1992年、ヒズボラが、ブエノスアイレスのイスラエル大使館で、硝酸アンモニウムを使った爆破テロ事件を起こし、ユダヤ人29人を殺害。1994年、同じく、ブエノスアイレスで、ヒズボラが、硝酸アンモニウムを搭載したトラックで、ユダヤ人居住地に入って爆発させ、ユダヤ人85人を殺害している。
イスラエルが南レバノンから撤退して以降、ヒズボラは、レバノンの政治でも大きな権力を持ち、ベイルートの港も、ヒズボラが支配していたと言ってもよいだろう。この大爆発は、ヒズボラが貯蔵していたものである可能性は濃厚といえる。
www.jpost.com/opinion/hezbollahs-genocidal-chemicals-ignite-lebanon-639809
しかし、かつてレバノンの支配国で、レバノンに発言力のあるフランスと、ドイツ以外のEU諸国は、ヒズボラを政治に残す考えであり、イスラエルは、相変わらず味方なし、自力で北部国境防衛をしていかなければならない状況にあるといえる。
実際、25日夜の出来事は、イスラエルが、イスラエルとレバノンの間を監視する国連軍UNIFILの働きに改善を求めたが、レバノンがこれを拒否するという経過があったその夜のことであった。
www.timesofisrael.com/lebanon-rejects-reform-of-blue-helmet-force-on-israel-border/
<警告?新軍事偵察衛星オフィック16からの写真発表>
イスラエルは、7月6日、軍事偵察衛星オフィック16の打ち上げに成功。その1週間後には、非常に精密な衛星写真を提供するようになった。8月25日、その中から、イスラエル軍は、シリアのパルミラ遺跡、ベルの神殿跡などの非常にハイグレードな写真を、メディアに公開した。
このタイミングからして、我々は上からすべてお見通しだというメッセージを発したものと思われる。
www.timesofisrael.com/israel-releases-newest-spy-satellites-first-photos-which-are-of-syria/