ラピード首相は、エジプトのシーシ大統領に電話で、パレスチナ問題の解決へのビジョンを語ったとのことだが、そのビジョンとは、憎しみと戦闘ではなく、ともに繁栄しようという呼びかけとなって現れた。
停戦が明確になった8日、ラピード首相は、テルアビブの防衛庁から公式の発表の形で、ガザ市民へのメッセージを語った。これまではハマスへの呼びかけであったが、今回はガザ市民への直接の呼びかけの形である。
ラピード首相は、「イスラエルは、だれの攻撃からも自衛する方法を知っているが、同時に仕事を通して、威厳をもって生計をたてられるような方法も提供できる。(イスラエルと戦争するにではなく)別の道があることも知ってほしい。」と呼びかけた。
その道として、アブラハム合意、またネゲブサミットを通して、イノベーションをともに目指し、ともに繁栄する動きが中東にも始まっていることを告げた。「選択はあなたがたの手にあります。あなたがたの将来はあなたがた次第です。」と語った。
www.timesofisrael.com/lapid-offers-a-new-path-to-residents-of-gaza-livelihood-dignity-and-peace/
<石のひとりごと>
ベネット政権の時もそうだったが、新しい首相になるたびに、ガザとの紛争が発生しているようにも思うがどうだろうか。パレスチナ側がその品定めをしているのか、新しい首相があえてその力量を国民に示しているのか。。
いずれにしても、今回の戦闘で、ラピード首相という人物が、かなり明らかになってきたのではないだろうか。これは筆者の主観だけだが、ラピード首相は、実にまっすぐな人に感じる。
曲がったことがきらいで、正義を追求するというか。人々との関係、つながりを重視するなど、ジャーナリストあがりらしい動きにもみえる。
ラピード首相の呼びかけはガザの市民にどう響くのだろうか。人々への呼びかけもジャーナリストらしい発想か、もしかしたら、今回戦闘に参加しなかった、ハマスへの信頼が心情的にも揺らいでいる可能性にかけているのかもしれない。
今回の戦闘で、ガザ市民1万5000人がイスラエルに来て働けなくなったし、国境が閉じられて、電気は1日3時間あるかないかになっていたという。この呼びかけがガザ市民にどう響くのかはわからない。
しかし、少なくとも、ラピード首相の心からの呼びかけであったのではないかと思う。個人的には、ベネット前首相とともに、ラピード首相をとりなしていきたいと思う。