26日、国会は、超正統派の学校でも、一般基礎科目(数学、科学、英語)を教えることを義務づける法案について、採決を行った。結果、反対37、賛成31となり、法案が破棄されることとなった。
つまり、超正統派の子供たちは、引き続き、ユダヤ教関連の学びだけで、一般社会では必須となる基礎科目を学ばないまま大人になっていくということである。
超正統派の人々は、一般教育を受けていないため、社会に出て働いて行く事が難しい。生活は国の社会保障に頼ることになる。また最近増えて来た超正統派からの離脱者は、社会に出て来た後、働くことができず、精神に異常をきたしたり、自殺する人もいる。
こうした状況を受けて、離脱者たちが、国に対し、親に子供に対する義務教育を義務づけなかったのは国の責任だとして訴えていた。これもまるまる退けられた形である。
今回、否決された法案は、2013-2014年、世俗派中流層の支持をあつめた新党、未来がある党のヤイル・ラピード党首が、ユダヤ教超正統派の人々を社会参画させなければ、国が破産する*と訴え、超正統派にも一般起基礎科目の教育を義務づける法案として提出していたものである。
ところが、ラピード氏は、ネタニヤフ首相とは犬猿の仲で、わずか9ヶ月で財務相を罷免された。国民からの支持率も大幅に下がって、後の総選挙で大敗し、改革は頓挫することとなった。
また、当時は、教育改革と同時に、超正統派に従軍も義務づける方向で、改革も進められていたのだが、こちらもなにやら、うやむやになっているのか、どうなのか、はっきりしないまま,今に至るという感じである。
現在の政権では、ネタニヤフ首相が、より安定した連立政権にむけて、ユダヤ教政党を連立政権を引き入れる交渉の条件として、上記のような改革案を廃案にすることを約束していたもよう。
いずれにしてに、ここに、ラピード氏以来の教育改革法案が白紙にもどされてしまったということである。
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しかし、実際に、超正統派の人口は急速に増え続けている。今以上に社会保障にたよる人が増えることは、国の自殺行為だと左派系メディアのハアレツ紙は訴えている。