目次
ブリンケン米国長官の中東巡回:最後はトルコ
アメリカは現在、イスラエル人の人質240人の救出と、パレスチナ人が安全に避難するとともに、人道支援物資を効果的にガザへ搬入させるたえの戦闘のいったん休止にむけて走り回っている。
3日にイスラエルに到着したブリンケン国務長官は、ネタニヤフ首相と会談後、パレスチナ自治政府のアッバス議長を訪問。続いて、ヨルダンで行われた中東外相会談に出席。エジプトとヨルダンの外相と会談した。さらには、イラクを電撃訪問し、スダーニー首相と会談した。
最後にトルコを訪問し、フィダン外相と会談した。トルコは、イスラエルを批判して、在イスラエル大使を召喚している。ブリンケン国務長官が、トルコを訪問した際は、イスラエルを支援する立場を明確にしているアメリカに反発するデモが行われた。
そこから、G7外相会議に出席するため、日本へと出発していった。アンカラを出発する際の記者会見で、ブリンケン国務長官は、「ガザでの人道支援を増やすことに取り組んでいる。そのための具体策もある」と述べた。詳細は明らかにはしなかった。
以下はブリンケン米国務長官訪問に合わせたデモとトルコでの訪問、出発時のブリンケン氏のコメント
ブリンケン国務長官は、すでに東京に到着している。2日間滞在予定。
*アンソニー・ブリンケン国務長官(61)
ブリンケン国務長官は、ウクライナ系ユダヤ人の母と、ハンガリー系ユダヤ人の父を持つユダヤ人である。オバマ政権下では、安全保障担当副大臣補佐官(2013-2015)ロシアのクリミア併合、イスラエルとガザの戦闘、イスラム国対策、キャンマーのロヒンギャ問題、イランの核問題対策にも関わっている。外交では、相当にベテランである。
日本でのG7外相会合
7にから日本で行われるG7外相会議。イスラエルとハマスの衝突が始まって以来、はじめてとなるG7外相会議である。これに先立ち、上川外相は、3日、イスラエルとパレスチナ自治政府を訪問したが、ちょうどブリンケン米国務長官と同じ日程であったためか、イスラエルではニュースには上がっていなかった。
しかし、イスラエルのコーヘン外相と会談した上川外相が、ハマスを「テロ組織」と明言。いかなる理由があっても許されることではないと述べた。上川外相は、人質になっているイスラエル人の家族らにも面会していた。
www3.nhk.or.jp/news/html/20231103/k10014246651000.html
一方で、パレスチナ自治政府のマリキ外相と会談した際、日本から、6500万ドル(97億円)規模で追加の人道支援を行うことを約束している。
日本は、アメリカとの関係維持のため、先にヨルダンが国連総会で提出した停戦案に棄権の立場をとっていた。しかし、アラブ諸国からのエネルギー依存もあり、G7でどのような対応に出るのか、難しい決断に迫られると言われている。