今年の国連総会は、各国首脳の多くがオンラインで演説を行った。ネタニヤフ首相は9月29日であった。
アブラハム合意を新しい平和の動きと報告すると同時に、イランが平和の脅威になっているとのいつもの話題を盛り込んでいた。その中で、ネタニヤフ首相は、8月4日のベイルートでの大爆発(180人死亡・30万人ホームレス)を取り上げ、同様の武器庫がまだベイルートにあることを地図をもって摘発した。
ネタニヤフ首相によると、その武器庫は、イラン傀儡ヒズボラの武器庫で、ベイルート国際空港のすぐ近くに位置するヨナという地域にある。ガソリンスタンドや、ガス会社に隣接しており、早く対処しないと、前回の大爆発と同様の被害が出るだろうと警告した。
この後、イスラエル軍は、この他にも2箇所、ヒズボラの最新鋭誘導ミサイルが配備されている場所があると発表した。2箇所ともベイルート国際空港の近くで、それぞれ、70家族が住むアパートの下、50家族が住むアパートの下となっている。
ネタニヤフ首相は2018年にも同様の警告を、国連総会で警告していた。
www.timesofisrael.com/netanyahu-at-un-reveals-hezbollah-arms-depot-in-beirut-warns-of-fresh-tragedy/
<ヒズボラは否定>
ネタニヤフ首相が国連で演説したその数時間後、ヒズボラのナスララ投手は、党内演説の中で、市民のいるところに武器を置くことはないと否定。メディアに対し、ネタニヤフ首相が指摘したヨナ地区に来て、調査するよう示唆した。
これを受けて、現地ジャーナリストたちのほか、APなど国際メディアも、ヨナ地区を訪問。ヒズボラのスポークスマンは、地域が長年、産業地域であると主張した。ヒズボラは、このツアーが、ネタニヤフ首相の演説直後であり、隠す時間をとってからメディアに開放したわけではない点を強調し、”敵の主張は嘘である”と訴えた。
www.timesofisrael.com/hezbollah-denies-netanyahu-claim-of-beirut-arms-stores-shows-off-site/
<ヒズボラがヨーロッパ各地に硝酸アンモニウム備蓄か:アメリカ指摘>
ヒズボラは否定しているが、アメリカのテロ対策コーディネーターのネイサン・セルス氏は、先月、ヒズボラが、ヨーロッパ各地に硝酸アンモニウムを拡散して保管している可能性があると摘発していた。
硝酸アンモニウムは、8月のベイルートの大爆発を起こした物質である。この物質は基本的には肥料であるが、使い方によっては危険な爆発物になりうる。
セルス氏の摘発によると、ヒズボラは、2012年から、硝酸アンモニウムをファーストエイドキットのコールドパックの中に混ぜ込む形で、ベルギーからフランス、ギリシャ、イタリア、スペイン、スイスなどに分散し、保存しているという。
現在、イランは、核開発疑惑関連で、国際社会から孤立する流れにある。こうした中、イランからの指示があればいつでもヨーロッパ中を巻き込むテロを実行する可能性があるとみられている。しかし、明白な証拠はないとのこと。
<石のひとりごと>
要するに、イランとヒズボラは、イスラエルの敵であり、いつかは戦争になり、その際は世界を巻き込む大きな戦争になるかもしれないということである。これは聖書が預言する通りである。
しかし、ネタニヤフ首相は毎年のようにイランやヒズボラの危険性を指摘し続けており、幸い、何もおこらないまま今に至っている。
いつかは戦争になるのだろう。しかし、その時がいつかはわからない。聖書が言うように、その日は、予想もしなかった時に来るのかも知れない。それまではこうした非難の押収が続くということであろう。
いずれにしてもイスラエル国民は、コロナとロックダウンでそれどころではなく、ネタニヤフ首相の国連メッセージなどには、ほとんど関心を寄せていなかったようである。