パレスチナ少年ムハンマド・アル・ケダールさん(16)を生きたまま焼き殺すという残虐な殺人を行った犯人が、7日、逮捕された。ユダヤ人過激派6人で、一部は未成年だった。
現在、詳しい取り調べが行われているが、グループの中の1人がすでに、犯行は、先にユダヤ人少年3人が殺害されたことへの復讐だったと自供している。
ムハンマドさんの父親は、「逮捕されても何の意味もない。息子は焼き殺されたのです。」と怒りをぶつけている。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、この件について、国連で調査委員会を立ち上げ、取り調べてほしいとの要請を出した。
<ネタニヤフ首相コメント>
ネタニヤフ首相は、モハンマドさんを虐殺した犯人がユダヤ人であったことを受けて、「恐ろしい事だ。地域全体を流血の火に入れるような過激派は、どちら側であっても決して赦してはならない。」と語った。
また、ムハンマドさんの家族に遺憾を伝えるとともに、殺人犯は、人種に関係なく、法の元に正しくさばくと伝えた。同時に、アッバス議長は、イスラエルがユダヤ人の犯人を逮捕したのと同様、ユダヤ人少年3人を殺害した犯人を逮捕すべきだと言った。
<イスラエルの治安部隊に暴行されたパレスチナ少年>
ムハンマドさんのアメリカ国籍のいとこ、タリク・ケダールさん(15)が、イスラエルの治安部隊に暴行を加えられるところがビデオに撮影されて問題となっていることについて。7日、警察はタリクさんを釈放。タリクさんが腫れ上がった顔で出てくるところが世界のニュースで報じられた。
イスラエルの警察は、この件についても現在、綿密な調査を行っている。
<全国に広がる暴動>
週末から続いているパレスチナ人の暴動だが、7日に6人のユダヤ人過激派が逮捕されてから、北部ガリラヤ地方やナザレ、南部のベドウインまでが治安部隊に投石するなどの暴動に及んでいる。
ラマダンの断食が明けた夕刻以降には、東エルサレムや、ラムレなどで再び暴動になると予想されている。
ところで、土曜には、エルサレム旧市街で女性がアラブ人グループに襲撃され、女性の夫が銃を使って脱出。マアレイ・アドミムへのバスが襲われて、運転手と乗客1人が負傷。今日は西エルサレムのアブトゥールでも暴動があったという。
こうした暴動は一過性なので、その場に居合わせなければ、暴動があったこともわからないというのが現状ではあるが、エルサレムでは、なんとなく不穏な空気を感じる昨今である。