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ハンユニス制圧近し?:ハマス犯罪の証拠摘発中
イスラエル軍によると、ハン・ユニスへの攻撃で、これまでにハマス戦闘員2000人を殺害。4000人を負傷させ、数百人を逮捕したという。これにより、ハンユニスのハマスの武装組織はほぼ無力化したとみている。
しかし、戦闘が終わったわけではなく、複雑にからんだトンネルの捜索と破壊を続け、さまざまなハマスの活動の痕跡を剥がす作戦を継続している。その中で発生する戦闘はまだ散発している。
1)イランからハマス、シンワルへの送金の証拠
6日、IDFのハガリ報道官は、ハンユニスのトンネルの中で、2014年から2020年の間に、イランが、ハマスとシンワルに、合計1億5000万ドル以上を送金していたという証拠書類を発見したと公式の発表を行なった。
この時、2000万シェケル(550万ドル)以上入ったバッグも押収した。その金が入った複数の封筒は、シンワル宛となっていた。イスラエルの英雄やシェケルが書いてある札というのもなんとも皮肉。。
2)ハンユニスで人質が収容されていたトンネル
また、7日には、人質が収容されていたとみられるトンネルを発見した。そこで発見された衣類や、髪の毛のDNA判定が、人質のものと一致したからである。ここには、人質12人が捕らえられていたが、このうち3人は、先に釈放されてイスラエルに戻っている。
また、ここでは、フランスが届けようとしていた薬品の跡も発見された。抗真菌薬、インスリン、甲状腺機能低下治療薬、傷の治療に使うもの、女性の膣用の抗菌錠剤などの空箱もあった。ただこれらが、人質に使われてたかどうかはわからないとのこと。
先月フランスとカタールが、赤十字を通じて慢性疾患を抱える人質のための薬品を届けることになったが、それが届いたという確証はまだイスラエルに知らされていない中での今回の発見であった。
www.timesofisrael.com/footage-shows-medication-packages-in-gaza-tunnel-where-hostages-were-held/
人質はどのぐらい生きているのか死んでいるのかの捜査
なお、イスラエル軍は、今も人質となっている136人のうち、31人の死亡を確認している。アメリカメディアが、さらに20人が死亡している可能性を示唆したが、イスラエル軍はまだ確認していないと言っている。
確認の方法だが、アルジャジーラによると、イスラエル軍は、ガザ内部で発見された遺体350体をイスラエルに持ち帰って調査しているようである。それで、時々、10月7日時点で殺されていたイスラエル人のことが、徐々にわかってきているということである。
アルジャジーラによると、イスラエル軍は、墓場の遺体もそのようにしているという。そうして、イスラエル人でなかった場合は、ガザへ帰している。
実際、こんな過酷な状況で、どれほどの人質がまだ生きているのか、希望は徐々に薄れつつあるのかもしれない。
ガザの衛生状況は非常に悪い。さまざまな感染症が蔓延している中にイスラエル兵が入っていって、負傷する。そこから感染してしまうこともある。7日、ガザでの戦闘で重傷を負ったハナン・ドロリさん(26)が、真菌感染症で死亡した。ガザ内地上戦での戦死者は、227人となった。
シンワルはラファに!?ハマスと2週間は連絡取れてない
こうした中、ガザ内部にいるハマスの最高指導者アヒヤ・シンワルはどこにいるのかということになる。シンワルはハン・ユニス出身なので、ハン・ユニスにいると信じられていた。
しかし、イスラエルの国内放送カンが伝えたところによると、シンワルはここ数週間、ハマスの指導者らと連絡が取れなくなっており、逃亡生活に入っているとみられる。
こうなると、パリに続いてカイロで行われていた人質交渉に、シンワルは関わっておらず、その情報も得ていない可能性がある。
ではどこにいるかということだが、ラファのどこかにいる可能性があると指摘されている。イスラエル軍はラファで、シンワルを捜索しているものと思われる。
海外へ逃げられる前に早く見つかるように。