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失われた威厳回復?:ハニエ暗殺の優れた技術はイスラエルによるものとアメリカ示唆
イスラエルは、10月7日の“失敗”で、ハマス3000人の侵入を許してしまい、市民1200人を虐殺されるという、大きすぎるあなどりを敵に与えてしまった。
しかし、ベイルートとテヘランでの最重要に近い人物を実にピンポイントで暗殺したことで、地域における、イスラエルへの本来の脅威と、それによる抑止力回復の一歩になっているのではないかとの期待もある。
そうした中、31日にハニエがどのように暗殺されたのか、その手段が明るみに出始め、アメリカは、それがイスラエルによるものではないかと示唆するに至っている。
イラン当局者が、ニューヨークタイムスに提示した、ハニエが殺害されたビルだとして提示した写真を見ると、爆破は限局的で、6階建のビル全体に破損が及んでいないことがわかる。
このビルは、イランのイスラム革命防衛隊が運営するゲストハウスで、ハマスのハニエは、イランのペデシュキアン大統領就任式の後、ここで宿泊していた。
ハニエは以前にも何度かテヘランを訪問しているが、いつもこのビルに宿泊していたという。
中東当局者とNYTは表現する5人の証言(別の報道では、イラン防衛革命隊2人を含む中東当局者7人、アメリカ人1人)によると、ハニエとボディーガードが部屋に入った後、爆発が発生したという。
www.nytimes.com/2024/08/01/world/middleeast/how-hamas-leader-haniyeh-killed-iran-bomb.html
爆弾がいつ設置されたか、明確ではない中、証言者の5人が、2カ月前に設置されたと言い、非常に優れた遠隔操作で爆発が引き出されていたと言っているとのこと。
ということは、2カ月もの間、この部屋だけでなく、かなり広範囲の監視が必要になってくる。そんなことはイスラエルのモサドぐらにしかできないことだろう。
また、遠隔操作での爆発は、2021年に、イランのトップ核科学者ファクリサデ博士が、テヘランで暗殺された際にも使われていたものを彷彿とさせる。これはイスラエルによるものだった。
www.timesofisrael.com/mossad-killed-irans-top-nuke-scientist-with-remote-operated-machine-gun-nyt/
またもう一つの着目点は、この同じビルに、イスラム聖戦の指導者ジアド・ナカレもいたという点である。ナカレは無事であったことから、まさにハニエだけを狙った作戦であったことを示している。
5人の中東当局者とされる人々は、この作戦に関して、イスラエルの諜報機関関係者が、詳細をアメリカなど西側には伝えていたと言っている。またアメリカは、このハニエ暗殺がイスラエルによるものであると結論づけたとも言っているとのこと。
なお、イラン当局は、どこからとは言わないまでも、ミサイルによるものと発表していた。しかし、ミサイルがイランの防空システムを突破することはおよそ不可能である。
また、イランにとって、2カ月も前に仕組まれた爆弾に気が付かなかったとなれば、非常に恥ずかしいことなので、ミサイルと言ったのではないかと考えられている。
石のひとりごと
かなり緊迫した状況は続いているが、イスラエルとアメリカの協力が、アピールされればされるほど、イランは手を出しにくくなるだろう。油断は禁物だが、イスラエルとアメリカに対して、イランが、捨て身にならないようにと願うところである。
一方で、イスラエルが人間的な知恵や技術、軍事力にだけ頼らず、すべての主権者である主、彼ら自身の名前がついているイスラエルの神にこそ、目を向けるようにと祈りたい。