先週13日、イスラエル北部のハデラのヒレル・ヤッフェ医療機関が、コンピューターのハッキングを受け、数日間主要なオンラインシステムが麻痺するという事件が発生した。
病院は、数十万人に医療を提供しているが、予備の代替システムと、職員らが、紙に記録する方法に切り替え、大きな事故にはいたらなかった。しかし、検査結果を医師が、検査室まで歩いてとりにいかなければならないどして時間がかかるなどの障害は出たとのこと。完全な回復にはまだ時間がかかるとのことである。
このハッキングは、ランサムウエアと呼ばれる攻撃であった。ランサムウエアとは、ハッカーが、ネットワークに侵入して、データを暗号化して解読不能にし、膨大な身代金を要求する。身代金を払えば、暗号を解くパスワードが送られてきて、問題は解決することになる。昨今、世界で横行している犯行である。
しかし、ハデラの病院は、公的機関であったため、身代金を払うことができなかったことから、病院内のITが、一時麻痺に陥ったのであった。
近年、イスラエルは、特にイランとみられるセキュリティ系のサイバー攻撃が増加している。Times of Israelによると、チェックポイントというセキュリティ企業の調べで、イスラエルへのサイバー攻撃は、他の国々の2倍あるという。特に保険機関は、週に平均1443回ものなんらかの攻撃を経験しているとのこと。
しかし、後の調べで、今回のハデラの病院への攻撃は、防衛に関わるようなものではなく、単に金目当ての犯罪であると発表された。おそらくは中国のハッカーとみられている。しかし、国家サイバー局は、全国の病院や、企業に警告を発した。
保健省のアッシュ長官は、今回の医療機関へのサイバー攻撃が、これから起こりうる大きなサイバー攻撃の警鐘であると捉えるべきだと述べている。医療機関のコンピューターが麻痺することは、そのまま患者の命に関わってくる可能性があるからである。
なお、チェックポイントによると、2020年、イスラエルへのサイバー攻撃は30%増えており、毎週60社に1社の割合で、ランサムウエアが発生しているという。それらは、身代金を払って解決をさせられているということである。
www.timesofisrael.com/hadera-hospital-still-offline-a-day-after-cyberattack/