エルサレムを中心に治安の悪化が進む中、ネタニヤフ首相の対処に疑問を持つ声が高まっている。様々な政治家たちが意見やコメントを出す中、チャンネル2が、世論調査を行った。
それによると、ネタニヤフ首相のテロ対策について、35%が不満、38%が非常に不満と答え、国民の73%が不満に感じているという結果になった。
では他のだれが、今現在の状況で指導者にふさわしいのかについては、強硬右派のイスラエル我が家党のリーバーマン党首が22%でトップ。次にやはり強硬右派のユダヤの家党ナフタリ・ベネット党首が17%で2位。ネタニヤフ首相は15%で3位にとどまった。
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危機を感じている国民は、やはり強硬的な右派を指示する傾向にある。しかし、左派陣営は、テルアビブででデモを行い、パレスチナ自治政府との和平交渉をするよう主張した。
左派が主張するのは、イスラエルが”占領”をやめ、パレスチナとイスラエル2国家が平和に隣人となることである。このデモには、一部のアラブ議員も参加していた。
*アラブ政党は前回の総選挙で議席を維持するために、しかたなくいろいろなアラブ政党が合併したのだが、本質は、ナザレでの強硬的デモに参加する議員と、暴力ではなく交渉を主張する議員と、意見がまったくに分かれるということである。
しかしながら、今のこの状況に至っては、左派の意見には現実味がないようにも感じられる。イスラエルでは、歴史駅にも敵対者たちとの話し合いで、平和が得られた事はない。かえって治安を悪化させるだけだったという評論が出ている。
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<これからどうなるのか>
現時点では、まだ沈静化するとは思えない状況である。ガザからのミサイル攻撃や、トンネルからのテロリストの侵入で、万が一イスラエル人に犠牲が出るようなことになれば、イスラエルは再び大規模にガザを攻撃し、戦争になるだろう。
また、土曜、トルコのアンカラでは、クルド人たちの大規模デモにおけるダブル自爆テロとみられる爆破事件で、100人近い犠牲者が出た。
ハマスやイスラム聖戦が、イスラエルとの全面戦争を扇動していることを考えれば、イスラエルでも再び自爆テロが起こる可能性も否定できない。
今日、フランス人ガイドの友人が、明日のエルサレムでのガイドの仕事がキャンセルになったと言っていた。この観光シーズンに観光客が来なくなれば、イスラエルだけでなく、パレスチナ人にとっても打撃になる。
今日、パレスチナ自治政府は、国連に”イスラエルの犯罪”を調査するよう訴えた。今後、国際社会もイスラエルへの非難が高まって来るだろう。
一日も早く、この難しい状況から脱出し、通常に戻ってもらいたいものだが、今はまだそれが見える段階ではなさそうである。